フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説  HIMITSU 禁断の愛 1 第1章 破滅へのシグナル

去年書き上げた短編恋愛小説を不定期公開いたします。
私が得意とする小説の題材は、ずばり娼婦です。





題名 HIMITSU 禁断の愛




IMGP7530.jpg












第一章 破滅へのシグナル





















屋上に上がるとスカイツリーが見えた。

東京の下町、墨田区のシンボルスカイツリーは、近い将来テレビがデジタル化になる

ために、高層建築が日々着々と進んでいた。

空を見上げると、雲はどんより黒く霞んでいる。鉄塔の先端は天に昇る勢いのごとく、

高くそびえたっていた。

しかし、吉雄は毎日が憂鬱だった。

屋上のある、レンタルルームは墨田区の閑静な住宅街の中にあった。

若い管理人の話だと学校の近くにある物件は、比較的東京の中でも格安に買う

ことができたため、この町にレンタルルームとして会社は経営していると答えた。

早い時間午前中、屋上から町の様子を見ると、学童が登校していた。

「俺も、あんな幼いころがあったな。あのころはただ将来に夢を託し、毎日が楽しかった。」

タバコを胸ポケットから取り出すと、食後の一本を点火した。

白い煙が、東京の空を一瞬にして覆い、消えて見え無くなった。

吉雄は、現在無職だった。就職活動を日々、求人誌を頼りに電話をかけ、自転車を

都内中かけ巡り、面接だけはこなしていた。

「すみませんね。もう募集は打ち切ってしまったんですよ。また機会があったら応募してください。」

電話口から、ひとこと強烈に響く、募集打ち切りの返事だった。

「なんだ、募集していないのなら、最初っから求人広告だすな。」

吉雄は、怒りとあせりが交互に炸裂し、吸い終えたタバコを地面に足でもみ消した。

「今日も、だめだったか。昔は、仕事がたくさんあったのにな。俺ももう歳だし、仕事を

選んでいる余裕はないけど、あまりにも仕事がなさ過ぎる。もう、だめか・・・」

吉雄は、現在50歳。仮の住まいとしてレンタルルームを月極め3万円で借りていた。

電気と水道代、それとインターネット代を合わせて3万円だったので、割安感はあった。

しかし、部屋の間口が畳1,6畳ほどしかなく、寝るだけのためスペースがようやく確保

できるに過ぎなかった。

部屋には、机とイス、それと気休め程度ほどの小さな流し台、それと鏡があった。

テレビは、管理人に頼めばレンタルしてくれた。

自分のパソコンでネット接続もできる。

吉雄が借りた部屋は、本来事務所として借りる物件だったのだ。

寝起きするための部屋ではないため、建前上は、オフィス物件だった。

昨今のネット状況から、たやすく一時しのぎの部屋を借りる情報は豊富だった。

しかし、月極めで部屋を借りる場合、保証金を含めても最低4万円ほどの、金は必要だった。

「とりあえず、2ヶ月ぐらいは、食いしのげるほどの金はある。遅くてもあと10日ほどで仕事

を決めないと、今後の生活が苦しくなるな。」

歩きながら、地面のマンホールを見つめ、正面にある歩行者信号機が、青に変わるのを

待っていた。

すると、交差点の端で工事車両が、いきなり動き出してきた。

それと並行するかのように、交通誘導員が、赤く点滅する誘導灯を大きく振り回しながら、

吉雄に向かって丁寧に話かけた。

「恐れ入ります。工事車両が動き出しますので、暫くお待ちください。・・・・・」

歩行者用信号機は、まだ赤のままだった。数人の交通誘導員も交差点の各、ポジションに

立ち、歩行者、車を誘導していた。

その鮮やかすぎるほどの機敏さと、危険を顧みず、自ら交差点の中央で誘導していた

誘導員にしばし、吉雄は見とれていた。

「さすがだな。一瞬の判断と機敏な対応、わかりやすい合図、もしかして警官より誘導がうまい

かもしれないな。それにしても、あの人顔がよく日焼けしている。・・・・」

歩行者用信号機が、青に変わると同時に、誘導員がふかぶかと吉雄たちに対して、挨拶

をしてきた。

「ご協力、ありがとうございました。・・・」

元気のある、丁寧な話ぶりだった。

「うん?・・・そうか、警備員の仕事か・・・。求人誌を見てみよう。もしかして俺でも働けるかも

しれない。確か、警備員はたくさんの書類を提出しなければならないはずだったな。

でも電話してみよう。・・」

吉雄は、手提げかばんの中にあった、求人誌をぺらぺらめくり、借りている部屋の近所

にありあそうな警備会社を探してみた。

求人誌の中央に、警備員が車を誘導している写真とともに、募集項目が詳しく掲載している。

年齢不問、男女 8:00~17:00 21:00~06:00 残業手当あり。

日払い給料可能 未経験者歓迎

「おっ!あった。部屋からそれほど遠くない。それに給料日払いもできるな。好条件だ。

よし、そうとなったら電話してみよう。・・・・」

吉雄は、携帯電話を未だに持つことができないためか、公衆電話ボックスに入った。

電話が繋がると元気のいい声が聞こてきた。

「もしもし、こちら幸福警備 山本です。・・・・」

「あのう、私、島田吉雄と申すものですが、○×求人誌を見て電話しました。

まだ、警備員、募集していますか。・・・」

不安そうな声に聞こえたのか、電話口から担当の人が、優しく包みこむように吉雄に

話かけた。

「えー。まだ募集していますよ。詳しいお話は、直接会社まで面接にお越しください。」

「あの、私年齢が、51歳の中年なんですが大丈夫でしょうか?」

「もちろん、OKですよ。わが社には、最高年齢75歳、現役の方もおりますよ。あなたは

わが社では、お若いほうですよ。・・・」

吉雄にとっては、採用年齢がもっと気になるところだった。

小銭入れの中には、十円玉がすでに残り少なくなっていた。十円玉を足すことに気を

とられ、電話口の担当者の話に集中できないでいた。

あわてて、もう一度面接時間の約束を復唱した。

「今日の夕方17時ですね。錦糸町の駅から四つ目通りを浅草方向に向かって、一つ目の

交差点、右端から手前に向かって2件目のビル、5階ですね。・・・」

吉雄は、記憶力がよいのか、すべて地理を飲み込んでいた。

「はい、そうです。もし途中で場所がわからなくなったらお電話くださいね。・・・えーと

それから、今日は写真と履歴書だけで結構です。後日採用が決まりましたら、必要書類

を揃えていただきますからね。」

電話ボックスから出た。大通りに面していたため、電話ボックスの扉を開けるとけたたましい

車の騒音が耳に入ってきた。

歩道には、行きかうOLや浮浪者までもが、忙しいそうに都会の喧騒の中を早足に通り過ぎていく。

「いったい、俺は働けるだろうか。それともまた面接採用が取り消しになるのだろうか。」

一瞬、秋空の冷たい風が、耳たぶに凍りつくように感じた。

時は、すでに秋から冬に変わろうとしていた。

歩道の隅には、銀杏の葉が小金色に彩り、たくさん散りばめていた。






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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/07/22(日) 22:36:50|
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  4. | コメント:0
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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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