フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 3








前回の続きから


※ 吉雄に仕事が決まりかけてきた。

吉雄とベトナム人妻との出会いは?










「山越さんは、以前トラックドライバーをしていたんですね。それでは、交通法規は

もちろん知っていらっしゃいますね。交通誘導員は、ご存知の通り、道路を使用しての電気

水道 ガス 電話などの公共工事が主です。道路を規制して円滑に交通の流れを誘導

することが役目となっていますから、元ドライバーのかたは、この仕事もなれるのが

早いですよ。とりあえず必要書類を揃えてください。そのあと書類に不備が無ければ

即 採用となり研修をしていただきますよ。」

面接担当官は、円滑に早口で説明を終えた。

「何か、質問ありますか?遠慮なく申し出てください。」

吉雄は、事務所の壁に掛かっていた、公安員会からの表彰状を見つめながら、頭の中で

整理して何点か質問をする。

「あの、私、履歴書にも書いてあるのですが、現在ベトナム北部地域に今度妻となる女性

と暮らしています。日本には出稼ぎできたわけなんです。ですから警備の仕事が薄い暇な

時は、ベトナムで暮らしたいのです。向こうで細々と妻と美容院 それと雑貨屋を経営

しているのです。そういうことも可能でしょうか?」

「もちろんですよ。これから忙しくなる予定ですから、繁忙期だけの勤務でも一考にかまいません。

4月から6月ごろまで仕事は少なくなりますからね。この仕事は、公共事業が主でして、役所が

工事業者へ発注、入札するわけです。年度末の3月ごろまでが一番忙しくなりますね。」

吉雄は、話を聞いていて11月から翌年、3月ごろまでなら十分働けると思った。

「わかりました。それでは早速書類を揃えてきますよ。宜しくお願いします。」

とにかく、書類を担当官が見てからが本採用となるようだった。

吉雄は、役所へ行って身元証明書、麻薬アヘン精神疾患証明書、戸籍謄本等を自費で揃える

ことになった。

「すみませんね。すべて書類は自費なんですよ。法務省で無犯罪証明書は、こちらで用意いたしますから。」

いがいと警備員になるためには、クリアしなくてはならないことが多いと思った。

もちろん、吉雄はいまだかつて前科歴、麻薬使用も経験がない。自己破産もない。

すべて書類はパーフェクトだ。

確信がこのときもてた。軽い足取りで元気よく担当官に挨拶すると事務所をあとにした。

秋空も薄暗く、最近陽が沈むのが早い。冷たく感じる日本の秋。これから厳しい生活の試練が待って

いるのだろうか。吉雄は初めて経験をする警備員の仕事が、不安で仕方がなかった。

事務所の雰囲気は、男所帯で女性の職場からは遠く感じるほど殺風景だった。

面接担当官が、「私どもの仕事はすべて現場勤務になります。」

その言葉を聴いて、少し安心した。

吉雄は、妻に国際電話を寝る前にもう一度かけた。

仕事が決まりかけた報告だった。少しでも妻を安心させるための計らいだった。

ふたりの会話は、片言のベトナム語だった。そうは言っても吉雄もほとんど話せないに等しい。


しかし、一緒にいると不思議と意思の疎通が図れる。

まったくもって不思議だった。

「俺さ、仕事決まりかけたからさ。来年の3月までも半年、がんばって働くよ。毎月送金するからさ。」

アメリカ系の送金会社、ウエスタンユニオンは、どこの国へも送金が可能だった。

その分、手数料がとても高いことがネックだった。

狭い、窓のない部屋に戻ると、自分のパソコンをネットに接続した。

べトナムから仕入れた雑貨物をオークションで販売しているからだ

「なんだ、今日も落札できないな。まぁー仕方がない。」

べトナム北部地域には、少数民族が多く暮らす。手間暇かけて作られた手編みの小物を仕入れて

来ていた。

東京の空は、スカイツリーが照明を星のように、点滅させている。

吉雄は屋上に昇ってから、タバコに火を点けた。

心地よい、一日の終わりは、一本のタバコの煙と夜空にそびえるスカイツリーだった。

吉雄が今の妻と一緒になったのは、約3年前だった。

中国とベトナムの国境、中国側のある町でふたりは知り合った。

当時、吉雄は長年勤めた運送会社を退職して、アジア各国を旅して回るバックバッカーだった。

偶然、中国側からベトナムへ入国しようとして、一泊だけ小さな町に宿泊していたとき、買い物ついで

に立ち寄った市場で知り合った。

彼女は、ベトナム北部地域の貧困な仕事の少ない村から中国に出稼ぎに来ていた。

歳はすでに三十路をとっくに過ぎ、離婚後お金を稼ぐために来ていた。

中国語も仲間たちに比べれば、うまく話せなかった。

そんな彼女と吉雄がなぜ、知り合い親交を深め一緒に暮らすようになったのか。

ほとんどお互い会話にもならないほどうまく意思の疎通が図れないはずなのに、なぜか

気持ちは理解しあえていた。

彼女は、年齢も老いていながら、言葉さえろくに話せない娼婦だった。

なぜか、吉雄の気持ちをハイテンションにするほど魅力にたけ、とりこにする魔性の女だった。

「今度君が田舎に帰るとき、一緒に行ってもいい。?」

彼女は、ただ真剣に吉雄の顔を見つめ、返事は常に曖昧だった。

会うごとにこのことを繰り返すうちに、彼女は催眠術にかかったように一緒に帰郷するようになった。

彼女としては、両親、親族 近所の手前、外人男性を連れて行けば、目立つことは確実で

あったため、躊躇するのも止むおえなかった。

いわば、彼女から両親を紹介してもらうということは、結婚を前提に付き合うことと同じ意味を持ってた。

ベトナム少数民族は、結婚が早い。14,5歳で結婚をし、子供を産む。

しかし、彼女は夫との間に中々、子供を授かることができなかった。

ようやく、20代後半になって妊娠し、早産で帝王切開手術をしたあと、子供は生まれてすぐ死んでしまった。

そのことが、後に夫婦間、民族の子孫繁栄に大きく影響を及ぼし、夫、それと親族間の間に亀裂が入り

離婚することになってしまった。

彼女は、大きく傷ついた。

もう、子供を産むこと、結婚もすることができない。

今まで磨き上げてきた美容師の技術を生かすことで、店を拡大することに決意した。

そして、資金を稼ぐために、両親 妹にうそをついて、中国の辺境地で売春をすることに決めたのだ。

そのとき、吉雄と知り合った。

吉雄は、風采がいまいち上がらない、中年男性客だったが、彼女の魅力に取り付かれ、次第に

常連客になっていった。

吉雄も離婚歴があった。彼女にも離婚歴があった。お互い傷ついた過去には触れず、

吉雄のほうから、自分の過去について語った。

彼にも子供は授かることができないであろう、肉体的ハンディがあった。

お互い 不思議に言葉が通じないないのにもかかわらず、知っている単語を話し、身振り手振り

だけで意思の疎通が図れた。

日々彼女を指名しながら、数十分という短い時間の中での営みをかね、親交を深めあっていた。

しかし、吉雄は妻が他の男に買われていく姿を見ることに心労が積み重なり、

数ヶ月間は、妻から遠ざかっていた。

そうすることで、自らの気持ちを静めていったのである。

娼婦を愛してしまった吉雄は、尽くす限りの意思の伝達を彼女に図った。

だが、彼女自身の経済的な事情もあり、仕事をやめることはなかった。

ある日、吉雄は決意をし、妻をオールナイトに誘った。

そして、深夜にもかかわらず、友人でベトナム語が饒舌な日本人の力を借り、彼女へ告白

をした。

その告白は、妻からすれば思い決断を迫られることだった。

しかし、妻は、あっさりと吉雄の告白を芯に受け止め、残り数日間だけの仕事という条件で

ふたりは、ベトナムへと向かったのである。

そのとき、吉雄は妻にあえて問いたださなかったが、妻にはいくらかの借金があり、置屋で

働いたことがわかってきた。

吉雄は、あえて妻に問いただすことはせず、過去のことは、無理に蒸し返さず、将来のため

に着々と建設的に行動をともにしていったのである。






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  1. 2012/07/25(水) 06:00:43|
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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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