フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 6 第2章 過去の愛 現在の愛

 ※ 吉雄と妻 アラーンの出会いは、実は中国とベトナムの国境にある、置屋だったんですね。

娼婦と客の関係が、未来どのように愛を育んでいくのでしょうか?






第2章  過去の愛 現在の愛



その頃、吉雄の妻、アラーンは自分が経営する美容院の店内を清掃していた。

間口、10坪ほどの小さな美容院だったが、駅からさほど離れてもいない、商店街の並びにあった。

美容院と言ってもパーマをかける客はほとんどおらず、カットと洗髪、それとマニュキュアが主

だった。

ベトナム北部地域はこれと言った産業もなく、ほとんどが農林業で、現金収入は都会に出て

働くしか術はない。

吉雄の妻 アラーンも小学校を卒業すると同時に、親戚の友人がハノイの郊外で美容院を

経営しているということで修行をした。

いつの間にか、年月がたち、美容の技術も人並み以上に身につき、顧客も増えていった。

愛想がよく、客との会話、手さばきのよいはさみの技術もさることながら、服のコーデイネート

を頼まれるほどに、客からの信頼も厚かった。


そんな若き絶頂期のころ、アラーンが一目見て惚れた男がいた。

彼は、月に何度か、アラーンを指名して髪を切りに来ていた。

男は、ハノイで日系企業で働く、バイク製造のエンジニアだった。

いつの間にか、アラーンと男は親密な関係になり、携帯電話でも常にやり取りする仲になって

いた。

ある日、アラーンはその男の子供を身ごもった。

生理が予定日になってもこない。彼女は男に電話した。

「私、生理が中々来ないの。もしかして妊娠したかもしれないわ。」

そう、彼女は男に告白をした。予想していた返事とは裏腹に、男の返事は冷たすぎた。

「・・・・・・俺の子か?・・・・」

その一言で、アラーンは身震いしたあと、地獄に突き落とされた気分を味わった。

あんなに愛し合っていた仲なのに、彼は私から遠ざかる。

それ以上男と付き合うことはやめた。

妊娠して3ヶ月、すぐにアラーンは、店のおばさんに相談して中絶することに決めた。

「私、シングルマザーになることはできないわ。こどもがかわいそうだけどおろすわ。」

真剣なまなざしでおばの顔を見つめ、病院に付き添ってもらった。

その後、アラーンは、何度か男たちとつきあったが、妊娠だけは避けるようにした。

20代後半になってようやく、地元で結婚することになった。

相手の男はおばの紹介だった。アラーンもすでに30歳近くなっていた。

ベトナムでは、20代前半、もしくは、10代で結婚する女性が圧倒的に多かった。

30歳近くになって嫁にもらってくれる男性など皆無に等しかった。

男は、地元で林業を営んでいる、やり手実業家だった。

すでに最初の妻とは離別し、再婚することに夢を託していた。

最初の妻との間には、子供はできず、アラーンとの間に子供ができることを夢みていた。

結婚後の生活は、楽だった。むしろ豪華すぎるほど、贅沢ができる生活だった。

アラーンは、何も生活に不満は持っていなかった。

しいて言えば、旦那の帰りが毎晩遅く あちこちで友人と飲み歩いていることだった。

「仕方がないわ。仕事ができる旦那は、夜飲み歩くのよ。そうおばも話していたわ。」

彼女は自分に問い詰めるように、自問自答を繰り返しながら、部屋でただひとり旦那

の帰りを待っている日々が続いた。

ある日、アラーンは妊娠した。そのことを旦那に報告すると彼は、大変喜んで彼女の

腹をなでまわした。

しかし、数ヶ月後 思わぬ悲惨な出来事がやってきた。

病院に向かう途中で、子宮から出血をした。血がとまらない。赤く鮮血した血しぶきが、勢いよく

道端に撒き散らされた。

ふたりは、あわてて病院の救急へ向かった。

しかし医者は、彼女に重い口ぶりで告げた。

「非常に母子とともに危険な状態です。すぐに帝王切開して子供を出さないとあなたの命も危ない。

子供は、今酸欠状態だ。すぐに入院してもらい、オペを始めます。」

崖から崩れ落ちる、大きな石が自分たちの身に覆いかぶさるようだった。

彼女の子供は子宮から出ると同時に死んだ。

アラーンがベッドの眠りから覚めると、顔の横に子供の姿は見えなかった。

「あなた、子供は、?・・・・」

旦那は、何も答えようとしなかった。ただ彼女のそばから離れようとしているのか、冷たい視線で

彼女の回復を待っていた。

数ヶ月後、旦那から突然、離婚の告白が持ち上がった。

理由は、跡取りの子供がどうしても欲しいからという、理由だった。

旦那の家系には、彼の子供しか跡取りを望むことができなかったからだ。

あまりにも彼女にしてみれば、残酷すぎるほどの離婚の告白だった。

しかし、アラーンはその場で承諾してしまった。

二度と子供を産むことができない。仕方がなかった。子孫を残すことは夫婦の間では、宿命だった

からだ。

心と体に傷を背負いながら、アラーンは友人の紹介で中国の境地に職を求めて移り住んできた。

昨今の中国高度成長に伴い、ベトナムからは、たくさんの観光客が土産、物資を買い漁り往来

していた。

アラーンは、両親や姉妹に中国で美容関係の職に就いているとだけ話し、実際はまとまった資金を

作るために、体を売る日々が続いていた。

過去を一切、断ち切るかのように次から次へと客をとり、過去をすべて消し去ったように男たちに

抱かれていった。

その客のひとりに吉雄がいたのである。

風采のあがらない、自分より一回り以上、ふた回りほど歳がはなれた吉雄は、彼女から見ても

ただ金の幻影にしか写って見えなかった。

何度か吉雄から指名を受けるうちに、肉体以上に心まで許すようになっていき、仕事とプライベート

が混同されていくようになったのである。

アラーンは、自分自身で売春の仕事を半年と決めていた。

半年間だけは故郷にも帰らず、休みもとらずに仕事一筋にと決めていた。

半年後に予想されるまとまった軍資金がいくらになるか日々夢を託し、美容院とその他の商売

を計画していたのである。

一方、吉雄は50歳を境に長年勤めていた、運送会社を退職し、フィリピンを始点にアジアから

ヨーロッパ各地、南米と世界一周ひとり旅に向かっていたのである。

ちょうどフィリピンのマニラから広州まで飛び、陸路入国最大15日間、ビザ免除を利用してベトナム

との国境の町にたどり着いた。

そのときにアラーンと運命的に知り合うきっかけになったのである。

吉雄は、旅行資金のほとんどをすでに使い果たしてしまうほど、金欠に悩んでいた。

「ベトナムに入国したら、日本に戻らなくてはならん。一から仕事を探して生活を始めなければ・・・・」

重い胸のうちを心に抱きながら、快楽旅行のあとは、暗い中年になってからのトラバーユしか

待っていなかったのである。

南米で強盗団に現金のすべてを奪われてからは、現金を持ち歩くことの怖さを知った。

すでに遅すぎた悟りだったが、彼にとっては旅の醍醐味のほうが快楽に思えた。

「まぁ~いいや、日本でまた働けばいい。」

しかし、現実に日本での職探しは厳しすぎるほど吉雄たち中高年には、重くのしかかっていた。

学校を卒業したばかりの若い世代さえ、就職が厳しい昨今だった。


続。



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  1. 2012/07/28(土) 06:00:33|
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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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