フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 10


中国で働いていたアラーンは、仕事を始めたころ、まったくといっていいほど、客もつかず、

現地語さえ話せなかった。

彼女の得意とすれば、過去に培った美容技術と身の着こなしがうまいことだ。

それほど高価でもない服を、上手に着こなすコーディネートは、美容院という女性のお洒落

最先端で働く場から自然と身につけた。「アラーンさんなら、どうやって化粧して、服を着こなすかわかる

わ。・・」

同じ、店の同僚からもつねに、相談されることが多かった。

化粧、髪の結い、身の着こなし、この三点が他の女の子たちより、格段勝っていたためか、

次第に、現地人の男性客からも、視線を受けるようになっていた。

「あの子、笑顔もいいし、センスがいい。・・・」

雲南省各地から、国境のあるこの町には、連日旅行客、ビジネスマンが多く訪れていた。

客の目に留まるためには、顔、年齢、体系もさることなら、化粧、服装のセンスも重大な

ポイントであった。

アラーンは、働き始めたから数ヶ月は、客足もそれほど多くはなかった。

しかし、サービス内容と彼女の優しい人柄が次第にうわさが広まり、固定客も増えていった。

ハノイの美容院で、働いていたころの月収の約5倍 を得ることが連日できた。

そのころ、すでに彼女の故郷、北ベトナムでは、妹とともに経営する小さな美容院があった。

しかし、あまりにも零細すぎて、見た目のよい、豪華な美容院に客をとられることもあった。

彼女は、決断し、もう少し店を拡大して、お洒落で豪華な美容院を建設することにした。

そのためには、どうしても資金が必要で、彼女の手元にわずかなベトナムドン紙幣しかなかった。

友人からの情報で、中国側の国境の町で短期間に多く稼げる売春宿があることを知り、何もためわらず

働くことにしたのである。

そのころから、吉雄と矢崎はアラーンに魅力を感じている客の一部だった。

対照的なふたりは、同じ日本人ということもあり、お互い知り合う仲だった。

矢崎は、吉雄よりも町に暮らして3年以上という、長期滞在者であるとともに、普段は中国語と

ベトナム語を勉強する勤勉な性格だ。

いっぽう、吉雄は旅の途中で知った町に長くはとどまらず、インドシナ各地を放浪していた。

矢崎は、それほどアラーンが働いている店には、行き来せず、週に何度か顔を見せてメールでの

やり取りをする程度だった。

会わない時間のスタンスをとり、恋愛ゲームを楽しんでいるようでもあった。

一方、吉雄は彼女のことが好きになるといてもたってもいられなくなり、連日店通い、プレゼント

攻撃、月に何度かは朝までオールナイトをするほど、のめりこむタイプだった。

アラーンは、ふたりの存在を気にはしていたが、お金にさえなればどうでもよかった。

客が、サービスを楽しみお金を払ってくれさえいれば、そんなこと気にしない。

吉雄の連日店通よいは、アラーンにとって客が少ないときは助かった。

サービス内容も、一緒にいるだけでいいとか、按摩だけのとき、買い物に行くため・・いずれも

彼女と一緒にいたいというのが、彼の本望だった。

矢崎と吉雄がある日、ともにアパートの屋上で再会したとき、矢崎のほうから、アラーンについて

話す機会があった。

「吉雄さんは、いつもアラーンを指名しているようですが、他の子とは遊ばないのですか?」

唐突に、今まで蓄積されていた質問が山済みのようだった。

「えっ・・・。俺は、アラーン オンリーですね。他の子は指名しませんよ。あの子ぐらい、いい子

いませんからね。それにテクニシャンですよね。」

少し、ニヤケて答えた。

「あの子とは、時々携帯電話のメールでやり取りしています。会って会話するより、メールのほうが、

辞書を調べながら会話できるからいいんです。

あの子、あれでいて結構きついところもありますよ。・・・」

「そうですね、この間、しばらくこの町を離れるから挨拶しようと、朝早く彼女を訪ねたら、遊んでいく

ように誘われたんです。断ると怖い顔して、老(年寄りという意味)といきなり言われましたよ。

そのとき、女って怖いと思いましたよ。」

屋上に矢崎の部屋もある。屋上から見える外の景色は、ベトナムと中国をはさんだ紅河と南渓河が、それぞれ

に支流となって合流している。

ベトナム側では、時折聞こえてくるカラオケの爆音が、ふたりの鼓膜に響き渡る。

「あの子ね、以前美容師をやっていて、すでに美容院を経営しているんですよ。現在妹に任せていてさらに

大きくしようと、この町で働いているんです。金が貯まり次第、この町から消えますよ。」

「そうでしょうね。年齢も30歳ぐいらいと思いますから、ビジネス一本に絞るつもりでしょう。」

「彼女ね、元の亭主と別れ、子供は生まれると同時に、死産したんです。ほら、お腹の中央に長い

手術痕があったでしょう。」

矢崎は、両手を交えて興奮したのか説明始めた。

「ん・・・・。ありましたね。いわゆる帝王切開した・・ということですね。俺の妹が2回帝王切開したけど

子供は生まれました。医者から3回目、帝王切開すると母子ともに、危険な状態になるから子供は

作れない・・と言われたそうです。話が余談になってすみません。」

話を聞いて驚きが隠せないのか、まだ興奮している。

「えっ!何ですって。?子供が産めない?そうなんですか?。・・」

かなりショックだったのか、言葉の歯切れが悪い。

「でも矢島さん、どうしてそんなことに拘るのですか?もしかして彼女と結婚する予定があるのですか?」

このさい、ふたりの話題はアラーンのことだけだった。

吉雄は、思い切って話を切り出した。彼の性格は何でもはっきりしていることで、うやむやに遠まわしに

話すことはできない性格だった。

そのことがかえって相手の即答を促すようでもあり、相手を苦しめることもあった。

「いやいや、結婚なんてすぐできません。僕は思いつめると、チンコも立たなくなるし、セックスができなくな

る。

それに、彼女が毎回中国人とセックスしていると思うと、会いに行くことが辛くなる。彼女は、メールで

いろいろなことを伝えてくる。男は女の消耗品なのかもしれない。」


ひげに手を添え、険しい顔つきが、一層きつくなった。

「矢崎さんが、彼女を想う気持ちが、十とすると俺は5ぐらいかもしれません。かなり重症の恋病

ですね。はっきり、彼女に告白したほうがいい。胸に貯めて気持ちを告げないのはよくない。」

吉雄は、なんでも短刀直答のストレートタイプに比べ、矢崎は、変化球で真っ向勝負をさけるタイプ

だったかもしれない。

「いちおう、彼女4月になったら、田舎に帰るようですが、まだはっきりわからないようですよ。」

「彼女の田舎に一緒に行くという意味ですか?両親に会うなら、結婚を前提の付き合いをすると

告げたほうがいいですよ。それと彼女のことが本当に好きなら、一分一秒でもすぐにこの仕事から

足を洗わせたほうがいい。金を使うしかないと思います。」

暫く、矢崎は黙っていた。

吉雄という男は、アラーンのことを好きなのか。ただ好き、一緒に遊んでいたい。それとも自分と

同じように、将来をともに過ごすパートナーとして考えているのか?

矢崎は、恋のライバルとして吉雄を考えたほうがよいのか、それとも相談相手としてポジションを

おいたほうがよいのか、躊躇していた。

「矢崎さん、俺はね、彼女が好き。将来的なことは考えていないけど、相手も納得したなら

すぐにでも同棲するべきだと思っています。いわゆるこの仕事から足を即刻洗わせたい。

それが、我々にできる唯一の愛の表現なんです。わかりますよね。待っていてはだめです。

時間の勝負ですよ。・・・・・・・・」

吉雄は、テーブルにあったグラスのコーヒーを一気に飲み干す。

「仕事を辞めさせる?それで?・・・」

「彼女は、わかっていると思いますけど、お金のために働いているんです。長いこと売春していれば

男に対する考え方も動物的になり、すれてきますよ。それに性病だって怖いし、体さえ売れば金になる

という安易な考え方も考え直させる治療に時間もかかる。

決めたら、その決めたらという意味は、相手の考えも含めてという意味だけど、決まったら即刻

引退の準備をするべきです。」

吉雄の考え方は、ストレートではっきりしていた。

一方、矢崎は、何をためらっているのか吉雄に同調ばかり求めていた。


続、



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  1. 2012/08/01(水) 06:00:42|
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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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