フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 14

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※ 職場でもアラーンのことが気にかかり、ついに職場の人に八つ当たりをしてしまう吉雄。






吉雄は、昼食を取り終えると、現場内の瓦礫の山の隅に腰をかけ、ヘルメットをとり、携帯電話

をポケットから取り出した。

アラーンに電話をかけることは、気が進まなかった。

するとそばに来た現場作業員が、安全靴を脱ぎ、吉雄のそばに座ってタバコに火を点けた。

「警備員さん、さっきのダンプ誘導、よかったよ。国道4号線から進入してくる車の交通量が

多いから、さっきはドンズマリになったけどうまく交わしてくれたね。混乱が避けられて職長も

そばで見ていたけど、関心していたよ。この間来た警備員は、何もできなくて俺たちが誘導したんだ。」

年配の作業員は、吉雄に対して褒めちぎった。

「あんた、警備員やってどのくらいたつの?・・・・」

「自分ですか?まだ会社に入社してわずかですよ。・・・元々ドライバーやっていたから交通の

流れが読めるのかもしれません。ありがとうございます。」

吉雄は、作業員に仕事のことで褒められてうれしかった。

「あんた、奥さん子供さん、いるんだろう?」

話の展開が吉雄の家庭、家族の話題に変わった。

「僕ですか?妻はいます。子供はいません。これからできればいいなぁ~と思っていますが、

妻はベトナムに残してきています。」

作業員は、ベトナムと聞いて、驚いたように顔を吉雄に近ずけた。

「ベトナム?へぇ~あんたの嫁さん、ベトナム人?珍しいねぇ~日本人の国際結婚で一番多いのが

中国人とフィリピン人、よく聞くけどね。いったいどこで知り合ったの?」

年齢のいった作業員は、タバコの煙にむせながらも、話に興味があったようだ。

「僕らは、中国の雲南省、ベトナムとの国境の町で知り合いました。まだ結婚はしていませんが、

3年間、一緒に暮らしています。彼女、美容師の技術を持っていたから、田舎ですけどね、小さな

美容店と雑貨屋を経営させています。」

「あっそう、いいね。奥さんが商売をしていれば、旦那は日本で出稼ぎしていても、とりあえず安心

ってわけだな。半年も家を留守にしていて、不安にならないか?まだ奥さん若いんだろう?」

痛いところをつかれたと吉雄は思った。

実際、今現実にそのことで心配事が多い。

「まぁ、そうですけど、僕は妻を信じているから大丈夫です。」

わをかけるように作業員は、言った。

「でも歳が離れすぎていて、若い奥さんをひとり残していると、結構やばいぞ。今流行りの・・・」

いきなり、吉雄は頭にきたのか、彼の話を中座して畳かけるように言い放った。

「何ですか、俺に喧嘩売っているのか。もう一度言ってみろ。」

「そんなに怒るなよ。どうしたんだ。?」

吉雄は、興奮して怒りそばにあったコンクリートガラを、ハンマーでぶち割った。

周りにいた、作業員もあっけにとられ、しばし沈黙の時間だけが流れた。

職長は、ユンボの運転席で昼寝をしていたが、あまりの怒鳴り声で目が覚め、ふたりのそばに駆け寄った。

「なんだい、どうしたんだ。警備員さん、うちのものが気に障ることを言ったら、ごめんなさい。

とりあえず、俺の顔をたてて許してやってください。」

腕もさること、人格まで優秀な人物だった。

「えっ・・・すみませんね。最近夫婦関係がよくないもんですから、少し気に障ったんです。声を荒げて

僕こそすみませんでした。」

吉雄は、謝るとすぐにその場から立ち去った。

コンクリートガラの埃が、その場から空にむかって立ちこめていた。

「俺は、どうかしている。このままだと気が狂いそうだ。早く何とかけりをつけなくてはならん。

相談相手も特にいないし、妹のグレンは、知らぬ存ぜぬの一転ばりだ。いったいあいつ、何考えて

いるんだろう。」

吉雄の波乱な一日とはうって変わり、矢崎とアラーンは、部屋の中で幻覚体験をその日も見ていた。

部屋の中は、ヘロイン、その他薬物にアンプル、錠剤などで散乱している。

矢崎は、トルエンをかばんの中から取り出す。

ビニール袋にいれ、タバコを吸うように吸い出した。

ビニール袋が、矢崎の吐く息でみるみるうちに大きくなりだすと、彼は一気に外気の酸素を一切吸わず

袋の中で深呼吸をする。

目が次第に溶けていく氷のように、視点が定まらず顔が溶け出すように変形してくる。

「お前も吸え。ヘロインのあとのトルエンは、食後のデザートだ。口が次第に溶けて自分が何を言って

いるかわからなくなるのがいい。頭が悪くなるのも快感の一つだ。馬鹿は考えなくていいから楽しい。」

「えっ?どういう意味?」

「馬鹿、何も考えなくなるということは、一番の絶頂なんだ。人間は考えすぎるから、神経を病む。」

矢崎の言うことは、理解もできたが何もトルエン、シャブを利用して快感を得る必要はないのだが。・・・・

次第に、アラーンも口もとがだらしがなくなり、よだれをたらし、頭の思考回路が絶滅してきた。

暫くたつと、また宿のオーナーがドアをノックしてきた。

さすがに居留守を使うわけにもいかず、アラーンが矢崎にアイコンタクトをして伺いをたてた。

ゆっくりとドアを半開きに開け、部屋の中を宿のオーナーに見られないようにした。

「大丈夫かい?外に一歩も一日以上でないから、どうかしたのか心配したんだよ。」

宿のオーナーは、部屋の中からそのとき、異臭がしたことに気がついた。

思わず、手のひらで鼻を押さえてしまったほどだ。

トルエンの匂いとヘロインが気化した匂いが部屋中に充満して、むせ返るほどだ。

「大丈夫よ。おばさん心配いらないわ。もう少したったら、食事をしに外へ出るわ。」

アラーンの言ったことは、まったく思っていないことだった。

腹などまったく減らない、眠くもならない、完全に薬漬になっていた。

宿のオーナーは、ふたりを不信に思い、家の家長である主人に相談した。

「まさか、あのふたり、麻薬をやっているというのか?もし本当だったらすぐに部屋から出て行って

もらう。冗談じゃない。最近は公安も麻薬使用者にはきびしい。我々も疑われては困る。」

宿のオーナーは、イスにゆっくりと腰掛けながら、ゆっくりと妻に語った。

「そうね、今、部屋にはいってみましょうか。本当かどうか確かめなくては。あなたも付いてきて

くださいな。私ひとりでは怖いわ。」

いっぽう、矢崎はトルエンとヘロインの混合使用によって、完全におかしくなっていた。

矢崎は、3年前から中国に移り住んできた。

以前、日本で勤めていた仕事は、航空機整備士。

すべて機体の部品は、マニュアルが英語で書かれていたこともあり、英語を読み書き話すことが

できた。

給料も一般職に比べ、高所得者で何不自由もすることなく、生活はできた。

しかし、彼の弟は、航空整備士よりさらにハイポジションのパイロットだった。

祖父の代から続く、パイロット家族は、矢崎の胸に負担になることもしばしばあった。

なぜなら、彼の家族は家柄もよく、弟が兄の矢崎より、高収入であることも彼を悩ませる一因だったのである。

わずかに貯めた貯金と退職金を元手に、彼は世界中を旅して回った。

そのとき、ふと中国とベトナムの国境の町に魅かれていったのである。

このまま、日本に戻って再就職をしても必ずよい職場にめぐり合えるとも限らない。

彼は、日本との経済格差を考え、物価の安い辺境地に滞在することになった。

まとまった軍資金もあったことで、彼は毎月4万円ぐらいの生活費で滞在できることに、喜びを感じたのである。

そして、ついに日本人の仲間たちから勧められた麻薬にまで、手を伸ばすことになった。

日本で買い付ける値段より、破格の値段でヘロインも手にいれることができた。

偶々、宿に移り住んできた若い薬学部出身の学生の力も借り、知識と体験を積み重ねることになった。

「おい、本当に大丈夫か?・・・」

「大丈夫ですよ。ヘロイン吸いながら、白酒(中国の酒)を飲むともう最高!セックスしたらもっと最高!」

ふたりは、快楽をともに求める、堕落した日々を送っていた。

そんなとき、偶然置屋街をぶらついていたときに、アラーンに声をかけられ、のちにのめりこむこととなった。


続。





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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/08/05(日) 06:00:10|
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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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