フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 16


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※ アラーン、ついに吉雄に電話をかけてみるが、果たして吉雄の態度は。







アラーンはベトナム北部の小さな町に暮らしていた。少数民族出身で、両親は山奥で

暮らしている。彼女が中国に出稼ぎに来た目的は、ベトナムに自分の家を建てること

が目的だった。コンクリートでできた見た目も豪華なビルハウス。短期間で稼ぐには、売春が

てっとり早い。地元から出稼ぎに来た女たちの多くは、家を建てる夢のために身を売って

いた。

客は、金。一切の情を断ち切るために、常連客でもチップをたくさんくれる客以外は、

回数を重ねるうちにサービスをわざと悪くすることが、置屋街では一般的だった。

なぜなら、流れてきた客は、情がのめりこまないうちにたやすく体を提供するだけで、

お金がはいる。

しかし、常連客な中でもチップをたくさんくれる客いがいは、わざとサービスを低下させて、

自分のリストからはずすことが、常とされていたのだ。

矢崎は、格別アラーンに対して、チップを弾むこともなかった。

しかし、決定的なアラーンからみて、彼の魅力は麻薬を共有する目的だった。

毎回、置屋に訪れるたびに、合法、非合法の麻薬を持ち込み、彼女に手渡し使用方法

を伝授していたのだ。

次第に彼女も麻薬の中毒者に変貌し、矢島の存在がアラーンの中から消えることは

なかった。

宿のオーナーが、ドアをノックし、強引に部屋の中へ入ってきた。

驚愕したオーナー夫妻は、何も言葉が出ないほど、部屋の中は異様な匂いと矢崎の青白い

顔だけが、目に焼きついた。

「いったい何を部屋の中でしているんだ。?すぐにでもここから出ていってくれ。さもなければ

公安警察に連絡するぞ。」

トルエンの空き瓶、ヘロインをあぶったあとのアルミホイル、すべてが魔境の空間だった。

「わかったよ。今から出ていく。アラーン、身支度をしろ。」

麻薬にとりつかれた矢崎の表情は、今なお、壁によりかかり、だらしがなく服を着てどうみても

尋常な人間には見えなかった。

アラーンはさほど、とり乱れた様子もなかったが、不服なのか口もとからよだれがたれている。

「わかったわ。おじさん、準備して出ていくから、警察だけには連絡しないで。お願い。」

すでにアラーンの人生も麻薬に取り付かれた、愚楽な道を歩むことしか術はもうなかった。

吉雄という、まじめなパートーナーを裏切り、心配させ、すでに吉雄も彼女を半ば諦めかけていた。

「ねぇ、これからどこへ行くの。私、家にもどるわ。吉雄さんに電話かけなきゃ。」

部屋を追い出されたふたりは、農道をあてもなくとぼとぼと歩いていた。

農道からそれほど離れていないところに、バナナの木々があった。

矢崎は、腹が減ったのか、まだ熟していない青いバナナをもぎちぎって食べた。

アラーンもそれにつられてバナナの木にうずくまってふたりで食べた。

編み笠を被った農民が、自転車をこぎながら不思議そうに、ふたりを見つめていた。

アラーンの目から一滴の涙がこぼれ落ちた。

まだ固く青いバナナを、無理に皮をむきながら食べる情けなさを、このときほど痛感したことは

なかった。

しかし、気がついたときはもう遅すぎた。

矢崎の財布にもお金はない。アラーンの手元にも何もなかった。

唯一連絡手段に使える、携帯電話も充電不十分で通じない。

アラーンは、後悔していたが、麻薬中毒の怖さを知りながらも、やめることができない自分に

苛立ちを覚えた。

ふたりは、あてもなくただ一本道の農道を歩くしか、行き先はみつからなかった。

「ねぇ、どこへ行くの?」

「わからん。行くところはないさ。金も尽き果てた。こっからお前のうちまで30kmはある。

歩いて帰るしかねぇーだろう。シャブのやりすぎで疲れはしねーがな。」

そのころ、吉雄は会社の指示通り、きちんと毎日勤務していた。

つい最近、解体業者の作業員と口喧嘩したことも、きちんと会社に報告して他の現場に変えてくれた。

「わかりました。山越さん、いろいろありますけど今までまじめに勤務してくれましたから、これからも

お願いしますね。とりあえず、現場を変えてみましょう。そのほうがお互い角もたちませんしね。」

会社の幹部は、吉雄を理解したうえで特別な配慮をしてくれた。

「俺は、会社から信頼されている。やめずにがんばる。もうアラーンのことはいい。時が解決して

くれるだろう。こっちから電話も連絡もせん。俺は与えられた仕事に励むだけだ。」

吉雄には、新たな希望がほのかに湧いてきた。

最近派遣された土木工事現場は、都心から離れた閑静な、住宅街にあった。

吉雄は、最近会社から信頼を得てきたのか、ひとり現場が多くなってきた。

スカイツリーが近くにある部屋から、自転車通勤するには少し遠すぎた。

しかし、がんばりやの吉雄は朝5時前に部屋を出て、現場まで1時間半の通勤距離を毎日

こなしていた。

朝早く起きてこぐペダルは、快調にスピードを上げていく。

車の交通量も少なく、彼にとっては仕事前の運動も兼ねていたのだ。

交差点の信号が、赤に変わったとき、制服の胸ポケットにしまってある携帯電話が鳴った。

一瞬、頭を掠めたのがベトナムからの電話であるにちがいないと思った。

横断歩道の隅に自転車を止め、携帯電話から聞こえてくる声に集中した。

「はい、山越です。もしもし・・・・」

しばらく、相手から反応がない。もう一度吉雄のほうから、話かけてみた。

「もしもし、どちら様ですか?・・・」

ようやく、相手の声が聞こえてきた。日本人ではない、小さく弱いかすれた声は、以前聞いた記憶

からかけ離れた、妻アラーンの変わり果てた声だった。

「吉雄さん、わ た し 。わかる?・・」

ベトナム語から聞こえてくる妻の声に、まったく変わり果てた声に驚き、吉雄はすぐに返事ができなかった。

「えっ? お前か?アラーンか?何やっていたんだ。心配してたぞ。お前、もう俺のこと嫌いになったのか?

俺が、日本で一所懸命働いているというのに、連絡もできないほどお前は、どこかへ消えていたのか?」

吉雄は、車の喧騒よりもっと声を荒げて電話口から怒鳴りつけた。

「違うわ。私・・・・・ごめんなさい。」

「何がごめんなさいだ。いったいどうしたのか、理由を説明してもらわなくては俺は納得できない。

これから仕事に行かなくてはならないから、あとでメールをくれ。メールに理由を書いてよこせ。」

彼女に言い放ったあと、電話をすぐ切った。

これ以上、だらだら話してもらちがあかないと思ったのか、自転車にまたがりまだひんやり肌寒い

朝の道を走っていった。

「あいつのメール内容次第では、俺は決断しなくてなならない。うそをついているか、ごまかしたりでも

したら、俺はもうあいつを捨てる。決断は早いほうがいい。・・・」

吉雄の腹はすでにもう、決まっていた。

一方、矢崎から離れ、村の雑貨店で食事を恵んでもらっていたアラーンは、頭の中が混乱していた。

吉雄は、すでに怒りが収まっていない。もしかして、予感からすれば別れることもありえる。そう思っていた。

「困ったわ。あの人・・・。どうしよう。今回のことをメールで理由を書いて、送れと言っていたけど、本当のこ


とを書いたら、絶対別れてしまうわ。」

村の親切なおばさんが、アラーンを取り囲んで心配そうに見つめている。

ベトナム北部の少数民族が暮らす村だった。

御椀の中に、炊きたての暖かいご飯をアラーンは、箸で一粒一粒つまんで、口に入れていたが、心配事が

多く、食欲もすすまない。

「おい、もっと食べろ。あと20km以上歩かなきゃならん。吉雄に電話したのか。?もう諦めろ。あいつ

だってお前のこと、もう見切りつけたぞ。俺たちの関係は、中国にいたときからあいつ知っていたんだ。」








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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/08/06(月) 06:00:53|
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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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