フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 19

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※ 吉雄とアラーンの出会いは、過去にさかのぼること、置屋だったんですね。

客と娼婦の関係がのちに同棲、やがて結婚、もしくは別れ。。。一体どうなるか。









吉雄の気持ちに中には、常に彼女への想いが膨らんでいた。

風船がパンパンに膨らんだ状態は、やがて空気が減りしぼんでいくように、禁断の愛

もやがて枯れて朽ちていくのか。

置屋街の階段を駆け下りるとき、フッと彼は魔性の女に恋を抱いている自分に、決断の

日を模索しかけていた。

吉雄の気持ちとは裏腹に、アラーンは連日客の手を引いては、目的達成のために身を

粉にして働いていた。

「置屋で遊んだあとも前も、アラーンの回りには、必ず買春目的の男たちがいる。

俺は、どうにもできない。娼婦に惚れるこの気持ち、彼女はどう考えているのだろうか?

俺が一切を捨て、彼女の思い通りに事を運んで、告白して行動に移せば、彼女は果たして

俺と一緒になるだろうか?それともいつもの薄笑いを浮かべて、軽くハイ・・とだけ返事して

流してしまうだろうか? 彼女に決断を促すことよりも時間をかけたほうがいいのだろうか?

しかし、この仕事は高収入だが、危険だ。彼女もお金だけが目的であって、それ以外のことは

ないはずだ。それに危険すぎる。早くやめさせることが先決だが、俺に大金はない。・・」

置屋街を出ると、たくさんの買い物客が、ベトナム製品を売り子と値段交渉している。

道端で、果物を売って歩くおばさんは、ベトナムから仕入れた商品を売って歩いている。

ベトナム人の売り子の中には、ベトナム軍のメットを被った男たちが、商品を肩に掛けながら

道行く人々に売り歩いていた。

置屋街へ向かう、中国人旅行者が観光バスから一斉に吉雄の前に降りてきた。

なぜか、中国人の多くは黒い服装に身を纏っている。それは汚れが目立たないようにする

意味もあった。

吉雄は振り返り、彼らを見つめた。そして思った。

「この中には、アラーンを抱く男もいることだろう。それと彼女自身も彼らに声をかけて

客引きするだろう。俺は許せない。しかしこの現実は避けられない、どうすることも今の

俺にはできない。涙が胸のつまりとともに、涙腺からはじき飛ぶようだ。」

彼女に今日も会えた喜びよりも、苦しみのほうが大きくなっていくことに気ずいていた。

部屋の扉を開けて中に入ると 急に寂しさがこみ上げてきた。

せっかくアラーンと今日も再会できた喜びよりも、彼女が他の男に抱かれている現在を

創造することは、とても耐えがたかった。

吉雄は、パソコンにショパンのCDを入れて、ノクターンを聴いた。

昼前のどんより曇った天気と同じように、聞こえてくるノクターンは、より一層憂鬱に感じた。

「今晩、彼女をオールナイトに誘う約束をした。 今晩ゆっくりと彼女といたい。」

吉雄は、銀行のATMから現金を引き出したあと、アラーンの店に行って老板に予約を申し入れた。

雇われ老板は、彼からお金を受け取るといつものように、何も言わずただうなずいていた。

そばにいたアラーンもいつものことのように、ただにこりと笑みを浮かべている。

昼前の閑散とした空気が流れている、置屋街でもアラーンだけは、連日常連客が訪れている。

その空気を読み取った吉雄は、わざわざその場で耐え忍ぶように、彼女が次から次へと買われて

いく光景を見つめていた。

「12時ね。・・・・・・・」

うれしそうでもなく、たた仕事の予約が埋まった安堵感か、彼女は部屋の奥にある洗濯場で洗った

ばかりの服を干しに行った。

置屋街も夜7時ごろから深夜12時ごろまでが、一番活気ずいていた。

黒服に身をまとった中国人グループが、冷やかし半分に彼女たちを取り囲んでいる。

女たちは、稼ぎ時ということもあり、店の前を通る男たちを片っ端から腕を引いて呼びこんでいる。

中には、彼女たち仲間とともに、客を強制的に店に連れ込む女もいた。

アラーンもその中の一人だった。

ひとりの客とことを終えると、終わったばかりであるにもかかわらず手あたり次第客に声をかけていた。

歳を少しでも若く見せるために、厚化粧と服装にだけは人一倍気を使っていた。


それでも10人に声をかけても2、3人、捕まえられればいいほうだった。

アラーンには、目標があった。その目標が彼女のエネルギーの源になっていた。

吉雄は、深夜12時からアラーンを連れ出すことができるため、30分ほど早めに置屋街に行ってみた。

薄暗い置屋街の中央には、池があり店の照明と月の光が反射して、異様な影を作っていた。

吉雄は、池を眺めながらもアラーンが店からでて客引きをしている姿を暫く見ていた。

酔った中国人グループが、アラーンの容姿を見て気にいったのか、部屋の中にはいって行った。

あまりにも短時間の出来事だったため、彼は驚きと落胆で気がうせた。

「あの子、もう12時になるというのに、まだ客をとっている。どうしてだろう。もういい加減に休んだって

いいのに。そんなに稼いでどうするんだ。体、本当に壊すぞ。・・・」

吉雄は、腕時計の針を見て、夜の12時になったことを確かめた。

アラーンと客は、まだ部屋から出てこない。

「いったどうしたんだ。時間ぎりぎりまで体を売ってどうするんだ。」

これからオールナイトを彼女とともに夜を過ごす。しかし体と心が乗ってこない。自分の女ではないが、

他の男に抱かれていることを創造するだけで、吉雄は胸が痛くなった。

手すりに腕をもたれながら、横目でちらりとアラーンを見る。

彼女は、時折、吉雄のほうを見ながらさらに客の腕を引く。

いったい、何回、この光景を目にしたのか。客に抱かれている姿は見たこともないが、うれしそうに

作り笑いを浮かべながら、彼女は客の腕を引いている。

息を切らしながら、ようやくアッラーンが部屋から出てきた。

乱れた髪を鏡の前でとかしながら、多少息を切らしながら紅を塗りなおしている。

吉雄は、腕時計の針が、12時になったことを確認し終えるとアラーンのそばへ向かった。

彼女は、吉雄と目を合わすとため息交じりに、無声息を吐いた。

すでに置屋街は、人も少なくなってきている。

ほとんどの女たちは、オールナイト客と店を出て買われたあとだ。

吉雄は、沈黙を破り彼女にお腹が空いたか尋ねた。

ただお腹の辺りに手を当て、そのあと口を開けて食べるしぐさをした。

彼女は、階段を降りながら微笑んでお腹が空いたように照れ隠した。

先頭を歩く吉雄を わざと避けるように距離を保つアラーン。

彼が後ろを振り返ると彼女は、ゆっくりと大地を一歩ずつかみ締めるかのように、のんびり

歩いていた。

「おい、どうしたんだ。・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

このとき、吉雄は彼女が特別な仕事をしているために、他の常連客にふたりが並んで歩いて

いる光景を見られたくないことを悟った。

それとも吉雄と歩いていることが、恥ずかしいのか彼には歯がゆく感じた。

しかし、詳しい会話ができないために、問いただすこともできなかった。

彼からすれば、一緒に歩いてひと時でも恋人同士の雰囲気にひたりたかった。

辺境の町は、深夜12時も過ぎれば、明かりが灯るのは、屋台の炉端焼き屋だけだった。

閑散とした町並みは、日中と変わらないほど人通りがまったく少ない。

吉雄は後ろを振り返り、彼女が遠くかなた50mほど離れて歩く姿を寂しく感じた。

「おい!ここで食べていくか?」

ウン、とだけうなずくアラーンは、ビニール製のイスに腰掛ける前に、店員に食べたい串焼きを

注文する。

「あなた、はどれ食べたい?これも?いいかしら?・・・」

「君が食べたいものを注文すればいい。僕はお腹減っていないから。・・・」

朝から働きずめの彼女は、深夜遅くからも客と寝て働かなくてはならない。

そんなことを百も承知の吉雄は、何も彼女に要求することなく、ただ流れに任していた。

木炭で焼かれた野菜 臓物 肉 魚が、次から次へとテーブルに並んだ。

料理が出来上がったというのに、突然、アラーンの携帯電話がけたたましく鳴り響く。

急に席を立ち上がり、吉雄のそばから離れるアラーン。

吉雄は、アラーンが席から離れたことに、何か自分には聞かれたくない話の内容だと

悟った。

彼女は、道路の中央に迫るほど近ずき、手のひらを丸め、口にかぶせるように

小声で何か話している。

「明天、明天・・・・・今天 睡・・・」

日本語の意味に直すと明日、今晩は、オールナイトで寝る・・・という意味だった。

このくらいの中国語なら吉雄にもわかる単語だった。

吉雄とアラーンの中国語レベルは、同じくらいだった。

「いい加減席に戻らないか。客からの予約の電話だろう。いったいどれだけ

話せばいいんだ。俺という客の前で他の客とばかり話しているなんて許せない。」

怒りがこみあげ、テーブルに並んだ料理もいつの間にか冷めている。

二人で食べるつもりだった串焼きが、冷めて味もそっけもない。

暫く、黙っていた吉雄だった。アラーンがようやく何事もなかったかのように

席に戻ってきた。聞きたくもない話の切り出しが、今の電話誰からか?という問いだった。

「中国人の客からよ。今晩はあなたとオールナイトだからって断ったわ。・・・」

「そんなの当たり前だろ。もう俺は金も払っているし、今だってあんたは仕事中なんだ。

いい加減に、客といるときは、電話の電源切っておけ。留守電にして明日、電話をかける

のが筋だ。・・・」

吉雄の怒りは相当激しく、今にも彼女へ手がでそうなほどだった。

アラーンにしてみれば、せっかくつかんだ客からの電話。そう邪険に済ますわけにも

いかない。

彼女の収入にも影響することは、もちろん今後の客とり競争にも負けてしまいかねない。

心の中で、吉雄の怒りも十分理解はできていた。

皿に盛られた肉を箸で、吉雄の口へと運ぶ。

それまで怒っていた吉雄が、次第に落ち着いてきたのか顔から笑みがこぼれ落ちてきた。

夜遅く開かれたデイナーは、こうして沈黙と辺境地の闇の中へと、のどを伝って胃の中へ消え

幕を閉じる。

部屋へ重い足取りでふたりは向かう。

部屋の前にたどり着いて、吉雄がドアを開けたとたん、アラーンがまた携帯電話に耳をあてる。

いきなり、吉雄は、部屋の中に入るとアラーンに怒鳴りつけた。

「もう、いい。部屋から出ていけ。そんなに客のことが気になるなら、お前はいらない。

置屋に戻ってゆっくり気がすすむまで電話すればいい。金は返してもらわなくていい。

出て行け。・・・」

最後の語尾が強く、日本語で話したにもかかわらず、アラーンはすべてを理解していた。

アラーンは、吉雄の体に抱きついてしがみつく。

懇願するよう彼に訴えた。

その声は、普段の小声でしなやかすぎる声と違い、泣き叫ぶ子供のように何かにすがる

ようだった。

あまりにも強く抱きしめられた吉雄は、背中をのけぞりながら、しかしアラーンは、それでも

強くすがるように抱きしめた。

吉雄はあまりの強さのため体が締め付けられるように苦しくなり、観念したのかアラーンに言った。

「わかった。わかったよ。君の言うことは、よくわかったよ。だから腕を離しておくれ。

あ~痛い、いったい家を建てるのに、いくらかかるんだ。えっ!40万元?俺そんな金

持っていないよ。」

吉雄はアラーンの力があまりにも強く、声を出すことさえできない。

「あなたは、いったい、いくらお金持っているの?・・・・・」

突然、具体的な金額を聞いてきたアラーンだった。

それにしても金の話になると 女性は怖い。目は真剣だ。

「どうしてこいつ、人の貯金額を聞くんだ。まだ結婚もしていないし、婚約さえしていないのに。

それにこいつ、現役の娼婦の癖して、何を考えているんだ。」

吉雄は次第にアラーンの質問にいやいや答えることより、彼女の質問に耳をかしげた。

「ベトナムにはいくらあるの?中国は?・・・」

アラーンの質問が具体的な金額に触れてきた。

吉雄は、まるで彼女の催眠術にかかったように、本当のことを話し始める。

「中国は、20万元ぐらい。ベトナムには金ないよ。・・」

吉雄の懐具合を期待していたアラーンは、ベトナムに金がない、と聞いた時点で自分の

耳を疑うように、吉雄の顔を凝視する。

「いいわ。20万元でも。40万元の家を建てたいのが本望だけど。足りない分は私が稼ぐから。・・・」



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  1. 2012/08/09(木) 06:00:34|
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プロフィール

針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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