フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 20

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期待していた吉雄の貯金。おもいがけないほどアラーンからすれば少なく思った。

肩をがっくり落とすほど 憔悴はしていないがこんなもんか?と言いたげそうな表情だった。 アラーンは、部屋

のコンクリート壁に体をもたれかかり、腕でコンクリート壁を掌で叩く。

一連の動作が、少しなげやりに思える。

思わず、吉雄はアラーンに何も言うことができず、暫く沈黙の時間が二人の間に流れた。

吉雄が普段 着ている薄手の黒いヤッケを彼女は、寝巻き代わりに羽織り、眠たげにうつろな目でベッドに吉雄を

誘う。

「もう、寝るか?こいつそれにしても今晩は、金の話ばかりだったな。もう少し、恋人気分を味わえるかと思って

いたが・・・・」

アラーンも吉雄と同じことを、この時考えていた。

毛布に顔を半分だけ隠しながらも、すでに頭の中は、吉雄と自分との間に現在あるお金の額だけだった。

吉雄も今晩は、セックスに興味が沸くほど、アラーンに愛情が持てなかった。

枕に顔をうずめながら、言葉には表さない吉雄は、すでに睡魔とともに悩みが増えていた。

「いいから、今晩はもう寝よう。明日も起きるのが早いだろう?・・・」

それ以上のことをアラーンに告げるのはもうやめた。顔を彼女に対して反対へ向け、気分が乗らないことを態度で

示す。

「もう、私のこと嫌いになったの?ねぇ~・・・」

アラーンの腕が、吉雄の股間部分をまさぐり始めてきた。ゆっくりと細い腕は、アラーンの気持ちとは正反対に

勝手に蛇の動きのように動く


暫くすると吉雄の体は、自然と快感に変わり始めてくる。

「でも待っておくれ、今晩はもうやめて寝てくれ。・・・・いいから、こういう日があってもいいだろう。・・」

「どうして?私のこと嫌いになったの?それともどこか体の具合でも・・・・・?」
 
アラーンが枕もとで、問いかけたときにすでに吉雄はいびきをかき始めていた。

アラーンが携帯電話に、目覚まし時計を朝7時半にセットしていた。

布団の中から、ピーピーと鳴り響く目覚まし時計。

普段は、カーテンから差し込む朝陽だけを頼りに起き上がるのに、今回は約束事でもあるのか几帳面にセットして

いる。

アラーンは、布団から飛び出すように起き上がると、吉雄の寝ぼけ顔も見ることなく洗面所に駆け込み、洗顔を始

めた。

一方 吉雄はとっくに5時ごろに目が覚めていた。歳をとると目覚めが早いとは彼のことを言っているようだ。

「早いな、もっとゆっくり起きてもいいのに。こんな朝から誰かと約束でもあるのか?・・・」

話かける隙もなくアラーンは忙く、何かに取り付かれたように身支度を終える。

「いいのよ。あなたはまだゆっくり寝ていてね。・・・」

それ以上、彼女は余計な話をしなかった。

「おい、朝飯食べよう。・・」

「今日は、いいわ。・・・」

ベッドに腰掛けながら、ズボンの中にある財布から、昨夜のチップを手渡す。

昨夜は、何もしないまま、ふたりは眠りについた。

しかし、吉雄にしてみれば有意義な一晩だった。

なぜなら、昨夜の会話から彼女の真意が見えたからだ。

そんなにも家を建てることが、大事なのか。もし地震でも起きたら、せっかく建てた家も台無しだ。

にもかかわらず、体を日々男たちの要求に答えながら、捧げ続ける。

休日も寝る時間さえも、男たちに捧げ自分の時間はまったくないに等しい。

チップをさりげなくアラーンに手渡したあと、吉雄はただ黙って彼女を見送る。

ドアを引き、外に出たあと半分だけ、顔を覗かし最後の別れ言葉を中国語で締めくくる。

吉雄は、黙って彼女の顔を見ていた。

何も言わず、目で彼女に何かしらのシグナルを送っていたのだ。

その意味は、言葉で相手に伝える以上に、凄みと深い意味を持つ。

万人に共通する目線だけのシグナル。

果たしてレッドゾーンに達したマックスシグナルは、何を意味して

いたのだろうか。
 
吉雄の心情は、不快な怒涛の荒波にさらわれるように、彼女を見送るだけにとどめた。

「あいつ、昨日俺を強く抱きしめて懇願していたな。何をそんなに家を建てることに、むきになるんだ。

俺の金 財産を当てにしているのか。婚約もしていない。俺はあいつとセックスしていたとき、夢中になって指で

一緒になろう・・みたいな意思表示はしたが・・・・。

家を建てるのに、いくらかかるか、聞いたことがあるが、俺が金をだすとは言った覚えはないはずだが・・・・。

それにしても、昨夜俺が部屋から出ていけ!と怒鳴ったのに、俺の体にまとわりついて懇願するように、そんな

こと言わないで

と言ったあの姿は、今朝になってもまだ記憶の中に焼きついている。・・・」

案外、このとき吉雄は彼女の態度に、驚きとともに深い喜びを感じとっていたかもしれない。

アラーンは、いつも吉雄とオールナイトのときは、夜食、朝食を必ず共にとっていた。

今朝は、足取りが速く、向かう先は最近固定客になってきた日本人のところへ向かう。

吉雄が月極めで借りている宿に比べ、この日本人のホテルはエレベーターが備えられ、しかもインターネットにも

接続できている。

部屋も格段に豪華だった。

日の出が遅い、この地域は一日の初めに訪れる客の部屋からは、閃光な朝陽が差し込んでいた。

ドアのチャイムを鳴らすと、大柄で太めな丸顔の男が、アラーンを部屋に招きいれた。

「どうぞ、中へ入って!・・」まさか、30分ほど前に他の客と寝ていたようには、見えないぐらい彼女はさっぱり

した表情をしている。

男は、いきなり裸になるとタオルを下半身にぐるぐる巻きにして、アラーンも一緒にシャワーを浴びるよう促した。



男は、アラーンの体を手のひらでまさぐるように、石鹸に泡を立てながら胸と下半身を洗う。お返しとばかりに

、アラーンも彼のいきりたった、

下半身をさも長くなったものを、扱いずらいかのように、サービスを始めた。「いいよ。うまいねぇ~僕は最初

シャワーを一緒に浴びることができる子でないとだめなんだ。断る子は、その場で帰ってもらう。」

彼が何を言っているか、検討もつかないアラーンだったがシャワーを浴びることが好きだとわかった。

「君 えくぼがあるね。笑うとよく目立つよ。そうそう、ゆっくり、滑らすように洗うのさ。」

男は、シャワー室の中でも先生のように、アラーンを教授する。

実は、この男れっきとした大学の講師だった。

ほんの数ヶ月前に、大学を除籍され、現在は失業の身。はるばるアジアを女郎買いのためだけに、時間と金を費い

やしている。

アラーンが置屋の前で声をかけたのも何かの縁だったかもしれない。、
 
そもそも アラーンは彼のような太ったタイプは、好みではない。

どちらかといえば、筋肉質の鋭い目つき、ニヒルな感じを好んでいる。

しかし、仕事となればそうも言っていれれない。

男の名前は、沢口昭雄と名乗る。本名か偽名か誰も知る由はないが、一応日本人の間では、みんなから

呼ばれている。

まだ朝の8時過ぎだというのに、女遊びとたいそう精力絶倫と思われそうだが、実は朝の8時に時間をしてきたの

は、アラーンの都合だった。

ベッドからお起上がると 沢口は満足したのか、タオルで顔を拭き取ったあと、めがねをかけアラーンに告げる。

「あのさ、明日も頼むよ。君、なかなか評判どおりいいね。はい、チップね。・・・」

恥ずかしそうに沢田からチップを受け取る。

しかし彼女は、内心やったという達成感で満足しきっていた。

「サンキュー!!・・・・」

20元のチップとテレビ台のそばに置いてある、お菓子と果物をビニール袋に詰めたものを彼女に手渡した。

アラーンは明日の予定を彼にタイミングを見はかり、すかさず話す。

「明日 朝8時はどう?・・・」

「えっ!? そんなに早くから?まぁ~いいだろう。OK、OK、部屋で待っているよ。・・・」

沢田は、このときずいぶん早くからセックスをしなければならないことに、戸惑いをかくす。

売れっ子なら時間のスケジュールも仕方がない、そう思ったから彼女の言いなりになった。
 
「サンキュー。・・・」

沢田の大柄な背丈に、ジャンプするように飛び乗り、頬にキスをした。

帰り際のキスを受けて、沢田はもちろん悪い気はしない。それよりずいぶん、サービスと男の隙間にある心を

知り尽くしている女性だと思った。

沢田が泊まっているホテルは、置屋街からも徒歩、2分足らずの好立地にあった。

アラーンは昨夜のオールナイト客から逃れるように、朝早めに部屋を出た。

そうすることで、置屋の老板を通さず、沢田分の稼ぎをすべて自分の懐に入れられるからだ。

朝、9時過ぎぐらいまで、雇われ老板はまだ寝ているからだ。

最近、その手で稼ぐ娼婦も多い。言わずと知れたことだが、店側の老板たちも知っていても、黙認していることが

多い。

なぜなら、あまり厳しくしつけても、最近の若い子たちは、すぐに辞めてしまうからだ。「あの日本人、チップ、

それとお菓子、果物くれるわ。 ホテルも店から近いし、とてもきれいだわ。朝晩にしよう。」

店に戻ると 置屋のあるビルは、ひっそりとしている。

誰もいない。物静かな空気が漂っている。

アラーンは、誰も向かえのない、自分の部屋に戻り着替えを始める。

女たちは、この部屋に戻ってからが一日の始まりとなる。

来る日も去る日も彼女たちの体だけをまたいで、男たちが過ぎ去っていく。

「ここに戻ってくると、わびしくなるわ。もうそろそろ落ちつこうかしら。・・・・男たちに抱かれて
 
いるときは、

寂しさなんか感じない。でも一人で部屋に戻ると何か急にさびしくなる。どうしてかしら。

お金で私の体だけを買う男たち。考えてみれば私は何のために働いているのかしら。・・・・」
 
いつの間にか、ベニヤだけで仕切られただけの暗い部屋で、眠りについた。


あの人は、あの時もそういう態度を私にとった。・・・・・・・・

吉雄がアラーンに対して取った態度とは、置屋のあるビルにあしげに通いつめ、用もないのに、

アラーンを常に遠くから観察していることだ。この町は娯楽施設もない、小さな国境にある町だ。

吉雄にしてみれば、退屈な時間を有効に使おうと思っても、施設も数少ない。

あるのは、洒落た洋服店それと置屋があるベトナムマーケット。

置屋のあるビルの中央に池がある。吹き抜け部分に作られている池を見ながら、置屋全体を

見渡すことができる。

娼婦たちが客を引き、店に連れ込む女から、客が泊まるホテルに連れられて行く光景が

吉雄からすれば退屈しのぎになった。

アラーンの店の前は、必要がないとき以外は行かないことにしていた。ただ遠くから彼女を眺めているだけにとど

める。

時折、吉雄とアラーンの目があう。手で合図を交わし、それだけで安心はしたのか、しかし他の男たち

に買われていく辛さは、身にこたえた。 

ならば、わざわざ彼女の元へ行かなければよいのだが、吉雄はあえて苦しみを実感することに挑戦して

自分の気持ちに鏡を照らしてみる。

言葉で表すより、心の動揺がわずか微動に変わる繊細な部分で、肉体もそれに連られて変わり始めていた。

「どうして俺は、わざわざ彼女が男たちに買われていくところを見なければならないんだ。苦しさにあえて挑戦

しているというのか。?」惚れた女が娼婦、しかも自分の目の前で男たちに買われていく。薄暗い中、女たちの化

粧も一段と濃く輪郭をふちどり、ピンクのネオンが妖艶に華やぐ時間帯。

「そうだ、ここは置屋だ。女たちは、体を売って仕事をしている。

生活のためだ。 家族と自分のためだ。」

自分に何度も言い聞かしながらも、アラーンが男の肩に腕を伸ばし、頬ずりしながら客引きする姿は、体にも心に

も毒になった。

いったい、アラーンは吉雄が考えていることをどのように思っているのか。

深夜 12時を過ぎるころになると 女たちも次第に少なくなり、ホテルへ向かう客と女は夜が更けていくと同時に

あたりは

静まりかえっていた。

吉雄だけが、いつの間にか取り残されて、ただひとりひっそりと物陰に隠れたねずみのように置屋街に立ちすくん

でいた。


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  1. 2012/08/10(金) 06:00:17|
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プロフィール

針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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