フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 22

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吉雄はアラーンの声を聞いて、しばらく問いかけに返事をしなかった。

彼の脳裏にきらめく迷いと決別への決心が交差して、彼女の声を聞いて一瞬ためらった。

「あっ俺だよ。・・・・」

そのあとの会話が続かない。言葉が出てこなかった。

「吉雄さん、本当にごめんなさい。許してもらおうとは思っていないわ。でもあなたの声を

聞きたかった。謝りたかったの。」

「それで?どうするつもりだ。俺たちこれからどうなると思う?・・」

吉雄は、改めてアラーンに問いかけた。

町は、すでに陽が暮れ、街路樹に灯る街灯が、いっそう冬の乾燥した枯葉が舞い落ちる季節を演出していた。

「できることなら、あなたに許してもらいたいわ。でもすべて私が悪いことをしたのだから、どのようなことに

なったとしても私は受け入れる覚悟ができているわ。」

アラーンの電話口から途切れがちな、言葉のひとつひとつに微妙な振動を伴う、不安定な声のハーモニーが

乱れている。「いいよ。とにかく俺は簡単にお前を許せない。あとはお前の行動次第だ。俺は仕事が明日も

あるから。」

そういい残すと電話を切った。

電話を吉雄のほうから切ったことに、アラーンは諦めより当然のことだと感じていた。
 
「仕方がないわ。あとは神からの裁きを受けるだけよ。私が悪いから。・・・・」

アラーンの目元には、後悔の涙があふれていて、グレーンは言葉もでない。

吉雄は、自転車のペダルをさらに強くこぎ、速度を速めた。

今までの過去を洗い捨てるように、ペダルをこぐ足を速めることによって、すべて消し捨てるように、全身に

力をこめて自転車は、風を切り車を追い越す。

信号が赤に変わり、吉雄はペダルをこぐのを止めた。

しかし、惰力の力で自転車は、交差点の中央でようやく止まった。

荒い息使い、胸の鼓動が激しく胸板を圧迫する。

「なんであいつは、俺をこんなにも苦しめる。?もしかして俺は、あいつをまだ好きなの

か?・・・・・・・・・・」

自問自答する吉雄は、激しく鼓動する胸に手をあて考えた。

下町に借りている部屋に戻る前に、コンビニストアでパンとミルクを買い、軽い夕食を近くの公園で済ますことに

した。

ベンチに腰掛けると銀杏並木の葉が、すでに冬の到来を告げるように小金色に輝き始めている。

吉雄は、ベンチに深く腰掛けると、アラーンと出会い始めてからの思い出にふけっていた。

「あいつと初めて喧嘩したわけじゃなかったが、関係がしっくりいかない時期があったな。あの時は、俺が突然

あいつから姿を消して友達とハノイに滞在していた。そうだったな。・・・・・・・」

その当時のことを吉雄は、鮮明に日記にも記録していたほど覚えている。

まだ アラーンが中国の置屋で働いているころで、吉雄は町に滞在していたころの話だった。

吉雄が、アラーンの常連客であったころ他の日本人客から聞いた、アラーンとの花代をめぐるいきさつに疑念が

あった。

日本人客は、吉雄とも面識が古くからあり、置屋街でも話をしたり彼の部屋で交流を楽しむほどの間柄だった。

日本人客は、元教師で中国の辺境地、カンボジアを行き交いしていた。

ある日、元教師の日本人と吉雄は、お互いアラーンを気に入ることで話があい、アラーンとの花代について

話すことがあった。

「彼女ね、一週間ほど前の昼下がり、店の前を通りすがったとき、声をかけてきたんですよ。今の時間帯暇だから

通常ホテル連れ出し、60元だけど50元にまけてあげるとね、それで私、あまり彼女のこと好みではなかったのです

が、ホテルに持ち込んだんです。そしたら思ったよりサービスがよくて、それで翌日から毎朝指名するようになり

ました。」

吉雄は彼の話を聞いていて少し不愉快になったが、もう少し掘り下げて聞いてみた。

「えっ!ホテル連れ出しで50元ですか?うそでしょ? 俺は店の部屋で60元も取られているんですよ。」

驚いたように彼に聞いてみた。

すると元教師の日本人は、誇らしげに吉雄に話を続ける。

「彼女ね、ことが終わると翌日の予定を聞いてきて、朝の8時ならOKと言うのです。だから了解しました。

それとね、50元プラス30元、トータル80元で特別オプションのサービスもお願いしたんですよ。」

元教師の彼は、そのあとも話を得意気に続ける。 

「あの子は、天性なのか、セックスが好きみたいですね。それに感じやすい。遊んでいてとても楽しい。歳はいっ


ているけどとてもいい素質を持っているな。・・・・・」


そのころも、日本人の間でも話題になるほどだった。

「そうですか。俺だけにあの子、サービスがよかったわけではないのですね。・・」

「そりゃ、そうでしょ。だってビジネスだからね。本気でそう思っていたんですか?それとも冗談言っている

の?・・・」

「まぁ、お互いアラーンのフアンと言うことでいいじゃないですか。・・」

元教師が泊まる部屋は、吉雄が泊まる部屋より、格段に豪華だった。

一泊 100元もする部屋が、月単位で借りると一泊90元で泊まれる。

吉雄が泊まる宿は、月単位で借りると600元、一日あたり20元弱の計算になる。

しかし、それなりの設備で、シャワーはお湯がでないうえ、宿に泊まる客層もそれほどよくない。

「差をつけられちゃったな。それにしてもアラーンのやつ、どうして俺には、60元もとるうえにオールナイトばか

り勧めてくるんだ。

あの日本人は、ショートで50元、それもたかだか30元プラスのオプションチップで、満足に遊んでいやがる。

俺は、とんだ噛ませ犬になり下げられているようだ。畜生!・・・」

この当時、吉雄はかなりこのことがきっかけになり、アラーンにたいして疑念と怒りを覚えるようになっていた。

翌日から置屋街にでかけても、アラーンと目をあわしてもそらす。店の前は行かない。

なるべく遠くから彼女を眺めているにとどめた。

それでもアラーンのことは気になる。客がアラーンを追いかけるように、ゆっくりと店の横の階段を登りつめる

と、待っていた

とばかりにアラーンは、客の胸に飛び込み、部屋の中へと手を引いていく光景が、遠くからでも吉雄の目には見え

る。

彼女たちの営みが、短い時間の中でも吉雄には、耐え難いほどの苦痛なひと時だった。


続。
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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/08/12(日) 06:00:06|
  2. 自作小説
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

自叙伝・・・?

実は先ほど、アンへルスについてのブログにもコメントさせていただきました。
本「自作恋愛小説」はまだ全てを拝読しておりませんが、一部内容からしてご本人の自叙伝を多少フィクションしての記述ではないかと・・・?
あくまでも当方の興味本意にて、勝手なことを申し上げてしまいました。
呉々もアンへルスの件、ご返答をお待ちしております。
  1. 2012/08/12(日) 11:06:30 |
  2. URL |
  3. 鈴木 廣道(Suzuki Hiromichi) #-
  4. [ 編集]

Re: 自叙伝・・・?

鈴木さん、コメントありがとうございます。

私の小説も他の作者と同じく、取材をベースに脚色、描写、ストーリーの展開

すべてフィクションでございます。

細かい体験等は、取材の賜物でして、もう少し今後も文章力に磨きをかけられればと思います。

なを、私のペンネーム ピンクサファイア JUN、FC2小説にも5作ほど公開しております。

フィリピンを舞台としたアクション小説、娼婦小説、その他 ベトナム娼婦小説です。

よかったらご覧下さい。

なお、只今新作品を書いております。

次回公開は、ブログではなく、本 または雑誌でお見せできればと思っています。

ありがとうございました。

管理者 針生 淳

ペンネーム ピンクサファイア JUN
  1. 2012/08/12(日) 12:51:46 |
  2. URL |
  3. 針生 あつし #-
  4. [ 編集]

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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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