フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 25

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※ いよいよ、アラーンとハノイで待ち合わせる約束がついた。

果たしてうまくいくのでしょうか。?




少女は、北部ベトナム サパから働きに来ていた。

サパの町は、高い山にある避暑地で、大勢の観光客でにぎわっている。

北部ベトナムで有名な観光地をあげるとすれば、ハロン湾、それとサパだ。

中国と国境を接することで山岳民族も多い。

「日本人!元気?今までとても忙しかったわ。・・・何か用事?」

「すまないけど、このベトナム語英語に翻訳してくれないか?」

申し訳ないように少女に尋ねた。


「まぁ、そんなことは、文を読んでみれば君だってわかるだろう。・・・」

「この人ね、家にあなたが来られると困ると書いてあるわ。それにこの人、自分の家がなくて姉さんの家に世話に

なっているようよ。」

少女は、続けて翻訳する。

「この人、だんなさんがいるんじゃないかしら。そんな感じがするわ。あなたが家に来られると困るそうよ。」

吉雄は、驚いて少女に反論する。

「そんなわけないな。あの子はだんなはいないと言っていた。それに子供は、生まれるとすぐ死んだと聞いてい

る。

今は、一人身のはずだが。・・違うかね?」

「そんなこと言われても私わからないわ。でも私の直感だから怒らないで聞いてね。だんなと子供がいると思う

うわ。だからあなたに来てもらいたくないのよ。・・・・」

「でも最初に彼女、俺が田舎に行ってもいいいかと聞いたら、OKしてくれたけどね。どうして急に前日になって断

ってきたか俺は、不思議で仕方がないね。」

「あなたも鈍いわね。それはあなたをうまくつなぎとめておく口実よ。だって彼女、あそこの置屋で

働いているんでしょ?

商売だもの、うまくやっていかなきゃならないわ。・・・」

吉雄の肩は、普段よりもっとなで肩になっていた。

「そうか。そういう事情か、以外とあの子したたかかもしれんな。・・・」

歩道には、あふれるばかりの露天商人たちが、ひしめきあう。

風船をいくつも束にし、今にも空高く夢遊病者のごとく、舞い上がるかのように売り歩く老いた商人。

新ウイグル地域jから仕入れたと思われる、ドライフルーツを屋台車に高く積み上げ、商いに励む

髭ずらの若いウイグル男性。

爆竹が中国では宣伝効果なのか、朝から鳴り響きやかましい。

吉雄は、少女に礼をひとこと告げると宿に帰って行った。

脳裏に描いていたアラーンの家族とともに過ごす夕飯のひととき。

それは、無残にも夢の中でのひとこまに過ぎなかった。

家族との交流が絶たれ、今となっては彼女との関係もそれまでなのか?関係の発展性は絶望的と

告げられたのも同じだった。

本気で好きな相手なら、家族を紹介することは至極当然だからだ。

家族に見られたくない、家族に紹介できない、家族が拒んでいる。それらの事象は、すべて彼女との関係が

もうそれ以上継続、進展することを拒んでいるに違いない。

吉雄は、静かに部屋のドアを開けたあと、一人で今夜も寝て起きての生活に、むしょうにさみしさを感じずには
いられなかった。

「俺は、アラーンに騙されたのか。?それとも彼女は俺を家族に紹介したかったけれど、家族が拒んでいたの
か?」

この日、吉雄は眠りにつくことができず、一杯の白酒(中国の蒸留酒)を飲み干し、床につくことにした。

アラーンの休暇が始まった。

本来なら、当日中国の出入国管理局前で待ち合わせをして、そのままベトナム側に入国を果たし、ラオカイ駅まで

タクシーに乗り、ラオカイ駅で切符を買って彼女の故郷まで寝台車で行くはずだった。

ラオカイ省とハノイ市のちょうど中間地点に、彼女の故郷はあった。

ラオカイ駅から汽車に乗り、時間にして約5.6時間かかる。日中に走る汽車なら何も寝台車に乗ることもない。

「ソフトシートでいいね。」

「私、寝台車に乗りたい。・・・」

そんな会話が数日前、ふたりは部屋の中で汽車の予約について話し合っていた。

お互いに帰郷することに夢を抱いていた。

しかし、無残にも別々の行動を余儀なくされ、アラーンは家族たちが車でラオカイまで向かえに来て、吉雄は

ひとりでハノイに行くことになった。

そしてふたりは、ハノイで再会する約束を交わした。

朝から吉雄の気分はさえない。食欲も性欲もまるでおきない。

今朝、アラーンと別れたばかりだったが、あさってハノイで再会することに何も希望が持てなかった。

なぜなら、吉雄は彼女の故郷をこの眼で一度、見たかったからだ。

当日、アラーンはスーツケースの中にたくさん詰め込んだ服を持ち歩き、国境をはさんでいる河へ向かった。

店の老板が、普段なら寝ている時間にもかかわらず、一緒に来てくれていた。

早朝のせいか、まだ老板のまぶたが腫れぼったい。

「毎日、電話かけるからね。ハノイの病院でよく診てもらいなさい。・・・」

アラーンはここ数日間、体調を壊していた。体が異常にだるく、食欲もない。

客が来ない時間を見計らって、近くの診療所から点滴の出張を頼むほどだった。

点滴を打ったあと数時間は、体調が元に回復していたが、それも数時間だけの効果だった。

「わかりました。毎日電話かけます。病院の結果、あとで知らせます。」

「ゆっくり家族と楽しんできなさい。」

普段仕事になると厳しい老板も、プライベートでは優しいお姉さんのように振舞っていた。

川岸にたどり着くと、船頭がアラーンたちを待ち構えていた。

対岸は、もうベトナムだ。

吉雄はこのときまだ部屋の中にいた。

ハノイへ行くには、ラオカイ駅を夜にたつ。

中国とベトナムには1時間の時差があるため、中国を夜の7時に出れば十分すぎるほどの余裕だった。

本来なら、アラーンとともにラオカイ駅から寝台切符を買い、駅弁でも買い食いしながらの道中だったはずが、

無残にもひとり隠密行動を余儀なくされていた。

「あいつ、今頃家族と合流して車で田舎へ向かったかな。昼飯は豪勢にレストランで食べるかな。俺の青写真は

レストランで、家族を紹介され、楽しいひと時が送れたはずなのに。・・・・・・

仕方がないか。あいつと俺は客と娼婦の関係だ。家族にも彼女は秘密にしているだろうし、言葉もうまく通じない

のに、どうして知り合ったのか、家族が疑問を感じるだろうしな。・・・」

なぜか、机の上にこぼれ落ちたご飯粒が、このときほどむなしく感じたことはなかった。



ハノイ市内ホアンキエム湖周辺には、多くのホテルと安宿が点在していた。中でもゲストハウスは、

数も多く選ぶことに不自由はしないほどだった。

吉雄は、宝石屋ばかりが店を構える通りにホテルを借りた。

ふたりが会う前日の夜、点滴を尻に打ちながら客をとっていたアラーンに、さりげなくホテルの名刺を渡してい
た。

「いいかい、ここに泊まる予定だから、俺から電話を受け取ったらここまでタクシーで来なさい。運賃は僕が払う

から心配しなくていいから。・・・・」

「わかったわ。電話待っているわ。」

ホテルは、一泊20ドル、朝飯付きでインターネットWIFI無料だった。しかし、部屋中どこを見渡しても窓がない。

ハノイ市内は建物が密集しているせいか、窓がないホテルも多かった。

「まぁ、こんなもんだろう。まさかアラーンとドミトリーに泊まるわけにいかないからな。このクラスで文句言われたら、それまでだ。」

中国の辺境地の町なら20ドルも出せば、ハイクラスのホテルに泊まれることができる。

ベトナムの首都ハノイと中国奥地辺境地では、物価格差がある。

アラーンはその日の午後2時ごろに、ハノイに着くだろうと言っていた。

それまで落ち着かない吉雄は、洗濯をしたり荷物の整理をしたりして、時間を潰していた。

「ずいぶん、洗濯ものが溜まってしまった。このホテル屋上に洗濯物が干せそうだ。スタッフに聞いてみよう。」

通常、ホテルなどでは、洗濯物を屋上などで干したりできいことになっているが、このホテルでは気軽に干すこと

ができた。

屋上にあがるとハノイ市内が、眼下に広がった。

東京と違って緑が多く、高層ビルも数えるほどしかない。そこがハノイのいいところと言っても過言ではなかった。

吉雄は、そのころ携帯電話を持っていなかった。

お金がない理由ではなく、仕事以外で携帯電話を持ち歩くことに抵抗を持っていた。

アラーンとの連絡手段もホテルのフロントに備えてある電話を利用して、彼女に連絡をすることにした。

フロントで働く女性スタッフも心よく、電話での応対に接してくれるからだ。

「エクスキューズミー?あの、これからベトナム人の友人に電話からかけたいのです」
 
彼女たちにしてみれば会話が通じないのに相手に電話をかけるのか不思議でしょうがないだろう。

フロントの女性は、1分間5000ドン通話料金がかかることを告げた。私、電話をかけたいのですが、

ベトナム語が話せないので、

すみませんが通訳をしてくれませんかね。」女性スタッフは了解すると電話番号をプッシュダイヤル始めた。

「彼女 電話に出ましたよ。あなたが今このホテルに滞在していることを告げればいいのですね。・・」

「はい、お願いします。助かりますよ。会えば意思の疎通が図れるのですが、電話での会話はどうも苦手でし

て。・・・」

ハノイは、ベトナムの首都だけあってホテルでは英語が通じる。

「彼女、今日の午後2時過ぎごろにハノイに到着するそうですよ。またハノイに着いたらここに電話するから部屋

で待っていてください。・・・そう話ています。」

「了解です。そう告げていただけませんか。?・・」

「はい。・・・・・・・・・」

アラーンとの連絡がこの日もうまくいった。

お互い、言葉がうまく通じないはずなのに、なぜかスムーズにことが運ぶことに、吉雄は何か心を通わせる

匂いを感じている。

「あいつもなかなか気が回る。・・俺たちいがいとうまくいくカップルかもしれない。・・・」

窓のない部屋に閉じこもると、友人からプレゼントされた電熱器で湯を沸かし、インスタントコーヒーを煎れ

始めた。

中国の宿はどこも部屋にお湯が備えられているが、ベトナムの宿では自分でお湯を沸かす以外術はない。

一日5杯以上飲むコーヒー代を浮かせるには、自分でお湯を沸かしてコーヒーを作るいがい方法はない。

コーヒーを飲みながらアラーンとハノイで会うことに夢と希望を抱いていた。

その反面、彼女の故郷に同行できなかった無念さもあった。

なぜなら、彼女の家族や故郷をひと目見たかったからだ。

「ハノイで会えるだけでも幸運と考えなきゃ。アラーンは置屋で24時間管理されていた。久々の休暇だ。何かうま

い料理とプレゼントを買ってあげよう。・・・」

心にそう決めた吉雄は、ホテルを出ると宝石屋をくまなく歩き回った。

ベトナム産の大きなルビーが、ショーウインドに展示されている。

中国産のヒスイもルビーと並んで多く展示されている。

軽く昼食を済ますと、ホテルに戻り部屋で読書をしながら彼女を待った。

女性スタッフが、ドアをノックしてきて目が覚めた。

「お電話ですよ。・・」

いよいよアラーンがホテルの近くまでやってきたようだ。

吉雄は胸騒ぎがしてきた。それもそのはず約3週間ぶりの再会である。

彼女は、ホテルの近くにタクシーが近ずいてきたら、また電話をするとだけ伝えてきた。

吉雄は、ホテルを出ると通りに立って彼女を待った。

相変わらず、バイクが無尽蔵のごとく行き交う。

余所見をして歩けば、バイクに跳ねられかねない。

宝石屋の店先前に立ち尽くすこと10分、一台のバイクがホテルの前に停まった。

赤いフリルの付いたシャツ、ジーパンには、ベトナムスタイルの柄がほどこされている。

彼女はバイクから降りると、吉雄のほうへ大きな目を向けた。

吉雄は、すぐアラーンと分かりそばへ駆け寄る。

彼女も、少しだけ微笑むとバイタクの運転手に、10万ドンとつぶやく。

彼は、財布から10万ドン札をドライバーに手渡すと、アラーンをホテルの部屋へ導いた。

ドアの開けると、部屋の中に充満していた冷気が、アラーンの体を心地よくさせた。

「涼しいわ。・・でも蚊が多いわね。・・」

「明日、部屋変えるよ。20ドルにしては、エアコン完備、WIFI完備、朝食つきでいいけど、どこから

進入してきたか、蚊が多くてね。」

実際、そのあと蚊の大群にふたりは苦労する羽目にあう。



続。
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  1. 2012/08/15(水) 06:00:08|
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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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