フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 26

V-207.jpg






※ハノイでも密会 体調の悪いアラーンに気使う吉雄。






部屋の中央にほとんど占領して、ダブルベッドにうつぶせに横たわるアラーン。

どこか表情が冴えないように吉雄は感じた。

「どこか具合が悪いのかね。?いつもより元気がないな。?」

体全体から発せられるエネルギーがまったく、吉雄には伝わってこない。

「中国にいたときから、私体がだるいのよ。とても立っていることが辛いわ。・・・」

声にも覇気がない。

単語ひとつひとつにまったく正気が感じられないのだ。

吉雄にしてみれば、せっかく久々にアラーンとの再会を果たしたはずなのに、この調子では

この先気分が乗ってこない。

ひとまず、定例の按摩を彼女にしてあげた。

足首から頭の先まで丁寧に時間をかけてしてあげる。

「ねぇ、気持ちいい?・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

どうやら気持ちよさにつられていつのまにか、彼女は眠ってしまったようだ。

吐息が次第に、寝息に変わっている。

ようやく眠りから覚めたアラーンは、グラスに水を注ぐうと一気に飲み干し、吉雄に告げた。

「私、明日病院へ行こうと思うの。私の故郷では精密検査ができないの。ハノイの大きな病院で




診てもらいなさいと、老板も姉たちも言っているわ。・・・・・・・」

アラーンの体調の悪さをこのとき痛感した吉雄だった。

「そうだったか。そういうわけでハノイに来たわけだな。今始まった体調不良じゃないな?。

前々から具合が悪いのに

仕事をしていたんだな。俺とハノイで会うこともついでだったのか。・・・・」

彼の心の奥底に疑心暗鬼な気持ちが交叉していた。

「まぁ、変に誤解しても始まらないだろう。ここは大きく気持ちを持って彼女を手助けしてやろう。普段から

体を粉にして男たちに体を捧げているんだ。体調が悪くなるのも仕方がない。しかし大きな病気でなければ

いいのだが。・・心配だ。・・・・・」

アラーンは、その日一日部屋に篭りきり、食事以外の時間外に出ることはなかった。

4月中旬まだ肌寒いくらいのハノイは、散歩にちょうどいいくらいの陽気だ。

翌日 ふたりはかけ布団から這い出るように飛び起きると、ホテルが用意したモーニングビュッフェを

食べ終わり、アラーンは外出の準備を始めた。

「これから病院へ行くわ。・・・」

「俺も一緒について行くよ。いいだろ?・・」

子供が母親に甘えるように吉雄は問いかけた。

「いいの、私ひとりで行くから。あなたはホテルに居ていいの。」

アラーンは、吉雄の気ずかいが逆にうっとをしかった。

「どうして?・・・・・」

それ以上 問い詰めることはやめた。

「ねぇ、だからここで待っているのよ。午後の3時ごろには戻るから。・・・」

そういい残すと化粧を済ませ、バイクタクシーの後ろに飛び乗ると、風のように消えていった。


ベトナム人女性もフィリピン人女性と同じ感覚、文化と先入観で思っていため、

アラーンが単独で病院に向かったことが、彼には理解できなかった。




もしかして他の男と密会するのではないか。?そんな疑いを抱いていたのである。

「あいつ、病院に行くと言ってどうして、俺が付いていったらまずいんだ。俺と一緒にいることが

恥ずかしいのか?

それとも何か不自由なことでもあるのか?言葉が通じないふたりが、一緒にいたら世間体でも気にするのか?

俺は、もうこの歳になったせいもあるけど、まったく気にならない。」

吉雄の脳裏には一粒種の不安と疑惑を抱くようになっていた。

部屋でインターネットをしていると、アラーンからの電話があった。

もう少しでホテルに戻るから部屋で待っているようにとのことだった。

部屋に戻るとアラーンは、疲れきったのか、津波が押し寄せるかのようにベッドになだれ込んで

うつぶせになった。

やはり、本当に病院へ行ったようだ。

数種類の薬とエコー画像の診断書と検査結果報告書を吉雄に見せた。

「先生がどこも体は悪くないと言うの。ほら見て!・・・」

いきなり、ベトナム語で書かれた検査報告書を見せられた彼だったがわかるはずもない。

「そう、それはよかった。でも俺にはベトナム語が分からないから理解できんよ。休みなく仕事をしていたから

きっと疲れが原因じゃないか?・・・・」

「そうね。ほら見て、こんなに薬くれたのよ。・・・」

そういい残すと彼女は、また深い眠りについた。

吉雄は、自分の経験と彼女の身辺行動からこの異常までの全身倦怠感は、ある重大な病気の兆候を感じずには

いられなかった。

医者も彼女が今、現在している仕事について知る由もなければ、彼女も医者に自分の仕事について

うち明かすわけもない。

ハノイでふたりは再会を果たし、ようやく仕事から解放されたアラーンと、置屋の管理下、金を払って彼女を買う

行為から解かれた吉雄だったが、悪魔のように忍びよる原因不明の病魔は、いったい何なのか?

話題を変えるために、吉雄は前々から思っていた指輪をプレゼントすることを提案した。

「指輪買ってあげようか?・・・」

表情をまったく変えないアラーンは、言葉が通じないのか無表情だ。

「えっ、本当? 私、金(ゴールド)でなきゃ嫌よ。・・」

「もちろんさ。君は銀のよさを知らない。金だと売ることもできるからね。・・・」

「それって嫌味?・・・・・」

「夕方、涼しくなったら宝石店に行こう。」

「本当かしら?。」

「日本人は約束を守る。」

妙に吉雄は自分が日本人を誇りに思っていた。

毎日、金相場は日々変わる。

宝石店なのか、金の売買店なのか、吉雄にはまったく理解できなかったが、そんなことはどうでもよかった。

以前から目星をつけていた宝石店があった。

数日前に訪れたときも、店員の女の子は、吉雄に愛想よく色石がついた金の指輪を勧めていた。

「こちらね、ピンクサファイアですよ。とてもエレガントでさわやかで派手さがない石です。いかがですか?」

女性販売員は、自分の指に指輪をはめながら見せて説明した。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「これ、いいよ。似合うよ。」

返事に困るアラーンだった。



吉雄は以前、アラーンに服を買ってあげたことがあったが、気に入らない様子だった。

服は、一緒に買いに行って本人に選ばさせたほうがよさそうだ。

今回、宝石の買い物も、自分でいつのまにか選んでいるアラーンだった。

30分以上の時間が流れ、彼女は店員とふたりだけで金の指輪を選んでいた

吉雄がその中に立ち入ることもできず、ただふたりをそばから眺めるだけだった。

ガラスケースに両腕ひざをかけ、いくつものネックレスを選び出し、吉雄にどれが一番いいか聞いてきた

アラーン。

「ねぇ、どれにしようか迷っているけどあなたどれがいいと思う?・・・」

18金のネックレスとリングがいくつか並べられた。どう見ても、一番重そうなリングが高価らそう見えるし、

価値がありそうに思える。戸惑う彼女をみてお金を払う吉雄がペンダントとネックレスを選んであげた。

「全部でお会計、600ドルですけどお支払いは、ドル払にしますか?それともベトナムドン払いにしますか?・・」

女性店員が吉雄に尋ねた。

会計を済ませたあと女性店員に向かって、吉雄は領収書の必要はないと答えた。

そばにいたアラーンは、一瞬戸惑いながら店を出たあと吉雄に尋ねた。

「私、領収書ほしかったわ。・・明日お店に受け取りに出かけてもいいかしら。・・・・・・」

このとき吉雄は、金の買い物をしたことで、彼女がもしお金に困ったとき、換金するのではないかと思った。

そのことは至極当然で、だれでも考えることだが、金を買ってもらった時点からすでに売ることを考えているので

はないかと不安がよぎる。

好意的にプレゼントした金がすでに売り買いの対象にしかならないことに、ロマンもくそもない。

これが貧乏人の宿命か、それともそれ以外に考えることができないのか、吉雄は少し後悔し始めていた。

しかし、彼自身からプレゼントすると言ったことだし、彼女のほうから懇願されたわけでもない。

買ってあげたものは、すでに彼女のものだ。彼女がどう使おうと勝手といえば勝手である。

しかし、買ってあげた本人の気持ちは、すでに幻と消え、世の中の汚い金に変わろうとしているのだろうか?
 
買い物から戻ったあとしばらく部屋にいて、ふたりは夕食に出かけた。

どの店にしようか、迷うほど食べもの屋が多いこの地区は、選ぶ側の客のほうが大変なくらいだ。

「ピザが食べたいわ。・・・・」

いきなりピザが食べたいといわれても、吉雄には店の情報がまったくなかった。

店員が道端で通行人に声をかけている一軒の店に入った。

2階に上がると暗い店内に籐のいすとテーブルがあるところに座る。
 
いまいち、雰囲気にかけていたが、二人は向かい合わせで座った。

お互い言葉がよく通じないが、買ってもらったばかりのジュエリーに満足顔なアラーンは終始にこやかだ。

「ピザとサラダとスパゲティ、それとミートソースのかかったニョっキを頼もう。・・・」

アラーンは、吉雄に注文を任せた。

それより、買ったばかりのリングが気になるのか、中指ばかりを眺めている。

「ねぇ、指輪、薬指にはめて。・・・」

「いいよ。・・・・・」
 
アラーンは、右手を吉雄の顔の前まで近ずけ、薬指に嵌め直そうとしている。

もしや、彼女にすれば将来結婚を意図した標示か、それともロマンを夢みているのか?

言葉が通じなくてもお互いの意思が完璧に近いくらい通じているのか?

吉雄もうれしさ交じりに、目じりを下げ照れくさそうに彼女の瞳を見つめていた。

アラーンも吉雄から金をもらってうれしかったのか、夜寝るときもシャワーを浴びるときもひと時も離さなかった。

翌朝、アラーンは、昼近くに起きて今日、田舎に帰ることを告げていたが、もう一晩ハノイに滞在することを吉雄に告げた。

「姉さんが、田舎にいるより、ハノイにあなたと一緒にいることのほうがいいのかしら?そう電話で話すの

よ。・・・」

携帯電話もひきりなしに、朝から鳴り響く。
 
「俺も君と一緒にいられるほうがうれしいけどね。でも君にも事情があるだろうから、俺に気を使うことはないよ。」

アラーンは、吉雄に田舎に戻ることを引き止めてもらいたかったのか、顔の表情が冴えない。

中途半端なき気使いは、逆に女性側に決断をさせることが重荷になる場合が多い。

吉雄もそのことは十分熟知していた。

「私、もう一日ハノイにいるわ。田舎に帰っても姪 甥がハノイで蟹を買ってきてと頼んでとうるさいのよ。・・」

「いいじゃないか、すぐ近くの市場で蟹売っているよ。ハノイは ハイフォンも近いから魚介類がたくさん手に入る。

君の田舎は山間部だから川蟹か、椰子蟹が手に入るかもしれないな。・・・・」

「あなたと会っていること、私姉たちに話てしまったの。日本人男性といるってね。姉たち日本人と聞いてお金たくさんあると
思っているらしいわ。だから私に電話で、あれ食べたいだの、買ってきてとか言ってうるさいのよ。・・・」

戸惑いながらもゆっくりと話すアラーンだった。ベッドの脇にある小型のバックには、着替えが放り込まれている。

几帳面な吉雄は、散らかった部屋をこまめにいつも片ずけていた。

話題を少し変えて彼女の肩に腕を回し静かに話しかける。

「今晩さ、ステーキ食べに行こうよ。フレンチレストランがね、ホテルの中にあるから。・・・・」

ホアンキエム湖のほとりにある、歴史的に価値のあるフランス建築のホテルは、かねてから吉雄も気にいっていた。

以前からフロントロビーにひとり座り、ホテルの雰囲気に浸るだけのひと時を楽しんでいた。

いつの日か、恋人 奥さんとこういうホテルで食事することに一途の夢を抱いていたからだ。

「ステーキ?いいわね、毎日おしゃれなレストランに連れて行ってくれるわね。お金大丈夫なの。?」

「そんな心配いらないよ。毎日そういう洒落たところに行くわけじゃないから。君と一緒だからさ。

もし、将来一緒になったとしたら、三度三度レストランの食事はできないと覚悟してくれよ。・・・・・」

はにかみながらも大声で笑うアラーンだった。


続。
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  1. 2012/08/16(木) 06:00:59|
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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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