フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 29

V-196.jpg








携帯電話を今にも道に叩きつけて、壊してしまいたい。

吉雄そうは思っていた。

だが、アラーンに薬代として渡した金に一部で買ってくれた携帯電話。

そうたやすく壊すこともできない。

複雑な心境に駆られるうちに、またアラーンに電話してみることにした。

「・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・。」

何回も呼び出してみてもアラーンの携帯電話に繋がらなかった。

「おかしい?電源を切っているにちがいない。俺のことに腹を立てて繋がらないように

しているのか?

それとも客と寝ているから電源を切っているのか?先が見えない2台の携帯電話の糸


に、心のうちを誰にも相談することができず、部屋に戻って音楽を聴くことにした。

いくら、ヘッドホーンのボリュームを大きくしてみても、頭の中が複雑なわだかまりと


おかしな創造で、自分がだんだん卑屈になっていくのがわかって嫌だった。

有名なショパンのノクターンの曲も、耳には届かなかった。

数日後、アラーンから着信メールが届いていることに気が付いた。

いつまでも彼女に対して悪い創造ばかりすることも、失礼に当たると思い、吉雄は自分

から謝りのメールを送信してみた。

「この間は、ごめんんさい。君がラオカイの町に滞在していると聞いたものだから、

おかしな創造をしてしまった。

誤解だったことはよく承知した。元気にまた職場復帰してください。・・・」

すると数分もたたぬうちに、アラーンからまたメールが届いた。

すぐに、パソコンの電源を入れてインターネットに接続したあと、グーグル翻訳を開い

た。携帯電話のデイスプレイをにらみつけるように、ベトナム語のアルファベッド文字

を入力し終えると、まったく日本語文章になっていない。

これでは彼女からのメールが解読できない。

すぐに部屋からでると、階段を駆け下り階下で仕事をしている若い女性に、翻訳を頼んだ。

「いいわ。ちょっと待ってね。・・・・・」

「あのさ、これ少ないけど取っておいて。・・・」

吉雄は、少しばかりの小銭を彼女に手間賃として渡した。

アラーンから届いたメール内容は、とてもまじめな文章だった。

「私は、そういう女じゃない。ラオカイの村で親戚が経営する材木工場の手伝いをして

いた。・・・」そのようにメールが来ていた。

吉雄の考えすぎならそれでよい。

彼は、安堵した。ラオカイ省と言っても範囲は広く、彼が考えていた中国と国境を接っ

する町とは違ったわけだった。

あまりにも思い違いで、吉雄はアラーンに対して申し訳けないと言う気持ちが強く心に

残り、再度謝りのメールを送った。

このまま、中国に戻ってアラーンの勤める置屋の近くに滞在してもよかったが、それだ

けのために時間とお金を使うのも勿体ないと考えていた。

なぜなら、アラーン以外にその町に住む動機が見当たらない、アラーンと会うために毎

度お金を使うことも負担が大きい。

普通のカップルなら、せいぜいデー代で済むが、現役娼婦は、24時間老板たちに管理さ

れている。

ゲストハウスの天井を見上げながら、吉雄は思いにふけっていた。

「そろそろ、あいつとは決断をしなければならない。いつまでも客と娼婦の関係でいる

か、それとも事情を聞いてから一緒になるか、

二つに一つだ。・・・・・・・・・・」

青年がシャワールームから戻ってきた。

長い髪の毛を洗ったばかりなのか、部屋中にシャンプーの香りが漂う。

「どうしたんですか?独り言なんか言って。まだそんな歳でもないじゃないですか。?・・・・・・・・・・・・」


若い日本人青年は、ラオスからベトナムに入国してきて、そのあと中国を旅する予定で

いた。

「いやいや、歳はとるもんじゃないね。ひとり言が多くなって困るよ。おじさんはね、

今、恋をしているベトナム人女性がいるんだよ。」

2段ベッドの下に寝泊りしている吉雄は、体をすぼめて小さくなって答えた。

「ベトナム語話せるんですか?・・・・」

「いや、まったくと言っていいほど話せんよ。・・」

「ならばどうして、その女性とつきあえるんですか?・・」

「君もずいぶん、追及してくるね。俺が好きな女性は、現役の娼婦だ。今中国の置屋で

働いている。ちょうどベトナムラオカイと国境を境にした小さな町にいる。・・・」

「あっ、その町に大きな置屋があること、ネットで知りましたよ。僕もハノイの次は、

その町から中国を旅しようと考えています。」

青年は、置屋にも興味があるようだったので、吉雄は続けて話を始めた。

「ならば、君の都合でかまわないから、一緒に中国に行かんか?・・・」

「いいんですか?ハノイで何かなさっているのではないですか?・・・」

「俺は、何もしていないよ。たた毎日くだらなく生きているだけだ。あの子を追いかけ

ている今流で言えば、追っかけだな。・・・・」

「へぇ・・・???」

ふたりの会話は、すでにアラーンの話に切り替わっていた。

そのとき、部屋の片隅に備えられている、セーフティボックスからけたたましく、携帯

電話のベルが鳴り響いた。

アラーンからの電話であることは確実だった。

「リーンリリリリーン・・・・・・・・・・・・・・・」

吉雄は、すぐに電話に出ることをためらい、そのままにしておいた。

すると青年が電話が鳴っていることを吉雄に促した。

「電話かかってますよ。・・・とらなくていいんですか?・・・」

「電話にでても会話まともにできないいんだ。ただお互いの声を聞いて終わりさ。・・・・」

半ばあきらめ口調で吉雄は言った。

「じゃ、どうしてお互いつきあっているんですか?・・・・」

「案外素朴な質問ですね。当然といえば当然のことだね。どうしてだろう?自分でも自

分に聞いてみたいよ。彼女は、現役の娼婦

であることは、さっきも話したね。彼女から見れば俺は客。俺から見れば彼女は、娼

婦。でも離れたハノイの地でもお互い交流している。

俺は、あいつが好きだ。できれば娼婦をやめさせたい。でも俺には力がない。力とは財

力のことだ。わかるよね。

彼女は、財力が乏しい俺にも相手にしてくれるということは、どういうことかわかるかね。?

つい先だってハノイで彼女と会ったとき、俺は彼女にプレゼントとお金を渡した。その

余韻がまだ消えていない、他の客と比べた場合、

俺の価値が彼女からすれば高いと言うことかもしれない。

でもそれってただ、物と金で彼女の想いを吊っているように思われるかもしれないね。

俺は、ただ彼女にあげたかっただけなんだ。難しく考えないでくれるかな。・・・」

しばらく青年はだまり、ようやく重い口を開き始めた。

「失礼ですが、彼女娼婦ですよね。そんなに好意を抱いていて、他の男に毎日抱かれて

いて嫌になりませんか?苦しくなりませんか?」

「もちろんさ、苦しいなんてもんじゃないよ。どうしてこんな人好きになったりしたの

か、自分でも頭叩き潰したくなるくらい嫌気がさすさ。

ただ、彼女とセックス遊びだけの客だったら、苦しまなくてもいいけど、好きになると

そういう関係から離れたくなるよね。」

宿のオーナーが部屋の扉を開け、消灯の時間だからと告げてきた。



続。
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  1. 2012/08/19(日) 06:00:30|
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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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