フィリピン針生旅日記

フィリピン一人旅 

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 31

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吉雄と別れたあとすぐに置屋に戻ったアラーンは、普段どおり洗濯をして比較的暇な午

前を向かえる。

しかし、常連客の中には、娼婦たちが暇な午前中を狙って朝早くから置屋に来るものもいた。

勤めをしている客、ビジネスマンの多くは、夕食後のゴールデンタイムに女を買いにく

ることがほとんだ。

しかし、比較的時間が自由にとれる客の中には、逆に客で混むゴールデンタイムを避け

るものもいる。

アラーンは、客の一部と朝顔を合わすと、不愉快で仕方がなかった。

せっかく昨夜、吉雄と一夜を過ごし、記念のセカンドバックをもらい、心地よい夢の中

をさまよい、目覚めも

すこぶるよかったはずなのに、置屋に戻ると数人の客が彼女を待ちうけていた。

「おい。来たぞ。いいだろう?・・・・・・・・・・・」

ぶっきらぼうにアラーンのそばによってくる中国人客。

アラーンは、口に出してはいけない言葉を彼に発してしまった。

「ずいぶん 早くから元気ね。そんなに私を稼がせてどうするつもり?・・・」

男は、アラーンの凄みに怖気つき、その場から去り他の女と寝ることにした。

アラーンは、シャワー室の中に入り、前日残した洗濯物を丁寧に洗い始めていた。

他の同僚娼婦たちも化粧の準備、部屋の清掃、洗濯、買い物などに追われる。

そのころ、店の主、老板が、両手に手提げ袋を掲げ店に入ってきた。

いつもになく、静かな雰囲気の彼女だったが、この日は店に入るなりアラーンをいきな

り呼びつけた。

「アラーン、ちょっと来なさい。・・・・」

洗濯を途中で済まし、泡をぬぐいながら老板の前に来た。

「きのう、あれだけ言ったでしょ。もう一度言うから私の話をよく聞くのよ。いい?

この町に来る観光客、バスの台数と人数は、ホテルサイドから昼過ぎに連絡が来るの。

だからいつもの常連客

と睡覚(※中国語で寝るという意味。ここではオールナイト)の予約は、夕方以降にし

なさいってあれだけ言ったでしょ。観光客は、一般客より高く値段がとれるの。

それにチップだって期待できるのよ。わかったわね。あの日本人とは少し時間をあけて

もらってから睡覚(オールナイト)の約束をするのよ。

観光客が優先、次に流れの客、最後に常連客よ。常連客は、暇なときのための保険のつ

もりでいつも考えなさい。いいわね。」

あまりの早口で巻くすため、アラーンはその場で怖気付いてしまった。

完全にビジネスとして娼婦を自立させた考え、老板のビジネストークは、この日もきび

しく彼女の鼓膜を叩きつけた。

アラーンの目元から一粒の涙がこぼれ落ちた。それと同時に肩から首の後ろ付け根部分

にかけて、熱く感じるものがあった。

「私、いったい何のために生きているのかしら。もう潮時かしら、。引退する時期が

迫ってきたようだわ。でも残りの借金もまだあるし。

客も選べない、客も老板好みの客に合わせなければならない。いったい何なの。私の子

宮はこれから生まれてくる赤ちゃんのため。

仕事でたくさんの男を癒しているけど、みんな自分だけすっきりしたら振り向いてもく


れない。」

現に中国人女性の売春価格に比べ、ベトナム人娼婦価格は、半値以下だ。

そのため彼女たちは、客数を増やして回転率を上げる しかない。

客層も大きく分けて、3つに分類される。

中国各地から この町にビジネスで訪れるビジネスマンと観光客。

現地人を含め、なぜかこの町に滞在する日本人とその他の外国人。
 
ビジネスマンと観光客がもっとも値段を高く取れるらしい。

彼らは、長く滞在せずにいるからだ。

その反面、現地人と外人の滞在者は、相場価格を知っているため、あまりいい商売にな

らず、サービスにもうるさいうえに、チップもはずまない。

吉雄は、その中でも気前がよいほうで、必ずアラーンにはチップを渡していた。

ショートで20元、スイジャオは最高100元もチップを彼女に渡していたのだ。

店の中でも上客の位置を不動のものにしていたが、客は客でも買春客だったため、陽が

あたることはない。

常連客でも早い時間帯に時間が取れる人間は、ゴールデンタイムを避けて、女たちと携
帯電話で存在を確認して遊んでいた。
吉雄が、アラーンと別れたあと若い青年を引き連れ、町の中心通りを歩いていた。

置屋の裏入り口にある商店で、ひとりの初老日本人が、昼下がりからビールを飲んでい

ることに気ずいた。

軽く頭を下げると、初老の男も頭をさげてきた。

「久々ですね。元気そうでしたね。・・・」

胸のボタンをはずし、胸板から汗が吹き出ているのが見えた。

「若い人連れてお楽しみかな?・・・・」

彼は、長年カンボジア タイと女遊びに長年費やしてきた。

昨今は、以前の若きころと違い、精力にもかげりが見えてきた。

体よりも口のほうにエネルギーが移動したのか、自分より経験不足の男たちを捕まえ


て、自分の自慢話に花が咲く。

「今の時間は、女たちも寝ていることが多い。無理に起こすと嫌われるから、起きて客

まちをしている女を選ぶといい。・・・」

吉雄は、そんなことは分かっているので、初老の男に反論してみた。

「そのくらいのこと、言われなくてもわかりますよ。・・・」

男は、これ以上何か言っても無駄と思い、黙ってふたりを見ていた。

「吉雄さん、行きましょう。俺喧嘩の仲裁はしたくありませんからね。・・・・」

そのあと二人は、それぞれ目的地へ向かう。

吉雄は、中国を出国して、アラーンの住むベトナムに入国して、若い青年は、陸路

をバスで西に向かい、ラオスへ旅立った。




続。
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  1. 2012/08/21(火) 06:00:15|
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針生 あつし

Author:針生 あつし
フィリピンの好きなところ。
言葉が通じる。海がきれい。!
人間がおおらかで、ソフトで優しい。
日本人のようにに細かいことにうるさくない。
南国気分を味わえる。
日本の生活に息抜きしたくなったら、フィリピンに行きましょう!



 
  

 
 
 

 


 
 



 
 
 































 


 



 
 









 
 


 




 
 
 

 










 


 


  

 






  




 




  


 



 














 

 





 


 
























 

 



















 





 



































 











 

 
 




 

 
 

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